どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
260
コチッ……コチッ……コチッ……。
アンティークの時計が時を刻んでいる。
そんな中、僕たちはゆっくりとティータイムを満喫していた。
「くーちゃん、ほれ……おいひぃね」
「あっありがと……ござい……ます」
もごもごと口を動かすアヤネに縮こまって返事するクー。
その様子を静かに見ながらトマトジュースを飲む。
……なんか心地良いねこの時間、ずっとこうしていたいね。
「……あっあの!」
「ん、どうしたの?」
ゆったりしてるなぁ、と思ってたら、クーが話し掛けてきたね。
しかも、物凄い緊張してる……楽にすればいいのにね。
「えと、その……こんな事聞くの失礼かもですけど……この、あの……うぅぅ」
手をもじもじさせるクー。
聞きたい事があれば聞けば良いのにね、クーは昔こうだ、極度の恥ずかしがり屋で口下手だから会話が苦手……友達の僕ともこんな感じだ。
だからそんな時は助け船をだす。
「失礼とか気にしないで話したら良いよ」
笑顔を見せながら言うと、クーは僕の方を見る。
そして、直ぐに下を向いた。
そしたらまた僕の方を見て……。
「じゃっ、きっききっ聞きます!」
と、大声をあげた。
その声に驚いたのか、アヤネはびくっと身体が跳ねて胸を押さえる。
小声で「びっくりしたぁ」と言ってる。
ごめんね、クーってこう言う魔物だから許してね。
「えっえと、ラキュ君とアヤネさんは……その、どうしてこっ此処に……きっ来たんです……か?」
「あぁえと、それはアヤネから聞くと良いよ」
その方が分かりやすいと思うしね。
なので、アヤネの方を向いてアイサインを送る。
でも、アヤネは口いっぱいにシフォンケーキを頬張って「ん?」と言いたげに首をかしげてる。
……今までの話し、聞いてなかったんだね。
アヤネ、美味しいのは分かるけど、会話しようよ。
「アヤネ」
「んあ?」
何言ってるか分からないけど、多分「なに?」と言ったんだろう。
もごもご……ごくん。
口の中に入ってる物を飲み込んで次はハッキリと言った。
「なに?」
「えとね、クーが……」
ここに来た理由を聞きたいってさ、とアヤネに伝える。
そしたら「おぉ……」と言って、アヤネはクーの方を向いた。
「聞きたい?」
じぃっとクーを見つめるアヤネ、その仕草に困ったのか。
「えっ、あっ、うっ……はっはい」
言葉を詰まらせながら返事した。
肩の力入りすぎだね、もっと楽にしなよ。
アヤネは勿体ぶらずにすっと話そうね。
「じゃ、話すね……」
「はっはい」
アヤネは、クーを見てここに来た理由を話した。
クーは黙ってそれを聞いた。
「……と言う訳なの」
そして、話を聞き終わって「ほぉ……」とため息をつく。
「なっなるほど、シルクさんとの……でっデートの、たっ為ですか。がっ頑張って……ますね」
その通り、アヤネは頑張ってるよ。
「……えと、ラキュ君?」
「ん?」
じぃっと僕を見てくるクー。
なんだか、その視線が優しく感じた……なんでそう思うんだろうね。
「アヤネさんと会ったのは……そっその、偶然なんですか?」
とか思ってたら、どきっとする事を言ってきたね。
焦るなぁ……急にそんな事言わないでよ。
「うん、偶然だよ。さっきアヤネが話したでしょ? 僕がふらっと街を散歩してたらアヤネと会って、街を案内して欲しいって言われたから協力したんだよ」
嘘は言ってない。
「そっそうですか。ぐっ偶然……ですか」
小声でそう言った後、両手でティーカップを持ち、紅茶を飲む。
そして……。
「あっアヤネさん」
「なに、クーちゃん」
「そっその、あの……頑張って……下さいね」
「うん、そのつもり」
アヤネを励ました。
それが嬉しかったのか、微笑んだね。
「あと、ラキュ君」
「………」
クーがまた僕を見てきた。
こんどはじとぉっと睨まれてる気がする。
その時、「くすっ」とクーが笑った。
「ラキュ君も……頑張って下さいね」
クーが笑った、これは珍しい事だね、滅多な事じゃクーは笑わないその小さな笑い声は、僕の今思ってる心を悟っての笑い声に聞こえた。
クーは意外と鋭いからね、きっと僕の思ってる事を察したんだろう。
頑張って下さい……か、僕はその台詞を聞いた瞬間、下を向いた。
「うん、頑張るよ」
そのあと、直ぐにクーの方を向いて笑顔で応えた。
頑張れ……か。
言われなくても頑張るよ、その為に僕はここにいるんだ。
そう、強く心に思いながら……ここでのティータイムを楽しんだ。
この後はゆっくりしながら何気無い世間話をしたりした。
そして暫く経った後、僕とアヤネはクーに別れを告げた後、魔王城に帰った。
ふぅ……色んな意味で疲れた気がするよ、今日は夕食を食べたあとは直ぐに寝よう、明日に備えないといけないからね。
アンティークの時計が時を刻んでいる。
そんな中、僕たちはゆっくりとティータイムを満喫していた。
「くーちゃん、ほれ……おいひぃね」
「あっありがと……ござい……ます」
もごもごと口を動かすアヤネに縮こまって返事するクー。
その様子を静かに見ながらトマトジュースを飲む。
……なんか心地良いねこの時間、ずっとこうしていたいね。
「……あっあの!」
「ん、どうしたの?」
ゆったりしてるなぁ、と思ってたら、クーが話し掛けてきたね。
しかも、物凄い緊張してる……楽にすればいいのにね。
「えと、その……こんな事聞くの失礼かもですけど……この、あの……うぅぅ」
手をもじもじさせるクー。
聞きたい事があれば聞けば良いのにね、クーは昔こうだ、極度の恥ずかしがり屋で口下手だから会話が苦手……友達の僕ともこんな感じだ。
だからそんな時は助け船をだす。
「失礼とか気にしないで話したら良いよ」
笑顔を見せながら言うと、クーは僕の方を見る。
そして、直ぐに下を向いた。
そしたらまた僕の方を見て……。
「じゃっ、きっききっ聞きます!」
と、大声をあげた。
その声に驚いたのか、アヤネはびくっと身体が跳ねて胸を押さえる。
小声で「びっくりしたぁ」と言ってる。
ごめんね、クーってこう言う魔物だから許してね。
「えっえと、ラキュ君とアヤネさんは……その、どうしてこっ此処に……きっ来たんです……か?」
「あぁえと、それはアヤネから聞くと良いよ」
その方が分かりやすいと思うしね。
なので、アヤネの方を向いてアイサインを送る。
でも、アヤネは口いっぱいにシフォンケーキを頬張って「ん?」と言いたげに首をかしげてる。
……今までの話し、聞いてなかったんだね。
アヤネ、美味しいのは分かるけど、会話しようよ。
「アヤネ」
「んあ?」
何言ってるか分からないけど、多分「なに?」と言ったんだろう。
もごもご……ごくん。
口の中に入ってる物を飲み込んで次はハッキリと言った。
「なに?」
「えとね、クーが……」
ここに来た理由を聞きたいってさ、とアヤネに伝える。
そしたら「おぉ……」と言って、アヤネはクーの方を向いた。
「聞きたい?」
じぃっとクーを見つめるアヤネ、その仕草に困ったのか。
「えっ、あっ、うっ……はっはい」
言葉を詰まらせながら返事した。
肩の力入りすぎだね、もっと楽にしなよ。
アヤネは勿体ぶらずにすっと話そうね。
「じゃ、話すね……」
「はっはい」
アヤネは、クーを見てここに来た理由を話した。
クーは黙ってそれを聞いた。
「……と言う訳なの」
そして、話を聞き終わって「ほぉ……」とため息をつく。
「なっなるほど、シルクさんとの……でっデートの、たっ為ですか。がっ頑張って……ますね」
その通り、アヤネは頑張ってるよ。
「……えと、ラキュ君?」
「ん?」
じぃっと僕を見てくるクー。
なんだか、その視線が優しく感じた……なんでそう思うんだろうね。
「アヤネさんと会ったのは……そっその、偶然なんですか?」
とか思ってたら、どきっとする事を言ってきたね。
焦るなぁ……急にそんな事言わないでよ。
「うん、偶然だよ。さっきアヤネが話したでしょ? 僕がふらっと街を散歩してたらアヤネと会って、街を案内して欲しいって言われたから協力したんだよ」
嘘は言ってない。
「そっそうですか。ぐっ偶然……ですか」
小声でそう言った後、両手でティーカップを持ち、紅茶を飲む。
そして……。
「あっアヤネさん」
「なに、クーちゃん」
「そっその、あの……頑張って……下さいね」
「うん、そのつもり」
アヤネを励ました。
それが嬉しかったのか、微笑んだね。
「あと、ラキュ君」
「………」
クーがまた僕を見てきた。
こんどはじとぉっと睨まれてる気がする。
その時、「くすっ」とクーが笑った。
「ラキュ君も……頑張って下さいね」
クーが笑った、これは珍しい事だね、滅多な事じゃクーは笑わないその小さな笑い声は、僕の今思ってる心を悟っての笑い声に聞こえた。
クーは意外と鋭いからね、きっと僕の思ってる事を察したんだろう。
頑張って下さい……か、僕はその台詞を聞いた瞬間、下を向いた。
「うん、頑張るよ」
そのあと、直ぐにクーの方を向いて笑顔で応えた。
頑張れ……か。
言われなくても頑張るよ、その為に僕はここにいるんだ。
そう、強く心に思いながら……ここでのティータイムを楽しんだ。
この後はゆっくりしながら何気無い世間話をしたりした。
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