どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
243
俺は今、目を瞑っている。
ただひたすら寝た振りを続けている。
俺のやっているのは狸寝入りだ。
だが、やってて気付いた。
目を瞑ったままでいるのは、意外と気を使う。
動かない様に注意しないといけないし、ロアの様子が見れないし、いつロアが目を覚まして動くか分からない。
それが気になって仕方がない。
だからもう、目を開けてみようか? と度々思うのだが、その度にその考えを振り払う。
仮に俺が目を開けたとする、その時に同時にロアが目覚めたら必然的にロアと目と目が合ってしまう。
その瞬間、ロアは俺に何かを仕掛けるだろう。
もしかしたら、キスされかねない。
いや、奴はする、必ずする! だからそれだけは避けたい。
なので目を開ける訳にはいかない。
あ、別にロアとのキスは嫌じゃない。
あ、いや! 嫌じゃないと言うのは、その……好きとかじゃそう言うのじゃなくて……えと、どきどきしてしまうから嫌だと言う意味だ。
決して、心から嫌ってる訳じゃない。
だっだって……実際に心地良いと思ってしまってるからな……完全に嫌と言う訳じゃないんだ。
って、俺は何を弁解してるんだ! 落ち着け俺っ。
くっ……ロアとナハトは別人だと分かったのに、何故かロアの事を意識してしまう。
くっそ、もどかしいな……。
考えれば考える程、深みにはまってる気がする。
……よし、今はこの事を考えるのはよそう。
下手に考え事をして、ロアが目覚めてるのに気付かなくて、結局バレてしまうと言うのは避けたいからな。
なので、俺は無心になる。
何も考えない、無だ……無になるんだ。
「んっ、んふぅ……ふぁぁ……」
っ! 俺の身体がビクついた。
こっこの眠たそうな声、ロアだ。
ロアが目覚めただと! いつもなら起きるのはずっと先な筈なのに……今日に限って早く起きるのか。
なんて事を考えていると、何やら動きがあった様だ。
「……ん、あぅ? うぉっ……目の前にシルクがおるのぅ。あぁ……もしかして、わらわ、抱き付いておったのかのぅ……」
もぞもぞっと、動きつつそんな事を言ってくる。
そうだ、その通りだ、俺からは何もしていない。
と言うか、まだ眠そうだな、喋り方が途中で途切れてしまいそうな位掠れた声だ。
「シルクも……ねておるのぅ、うぅ……しゃむぃ」
ぎゅっ……。
ロアは更に強く抱き付いて来た。
くっ、寒いなら布団の中に潜れば良いだろう!
なんて思いつつ、俺はロアのむにむにする胸の感触を必死で耐える。
くっそっ、毎回毎回何かと柔らかいのを押し付けてきて……りっ理性を保つのが大変なんだぞ!
「うぅ……あぁ……」
ぺたっ、ぺたぺたっ。
呻き声を出しながら、俺の顔に触れてきてる……。
うぐっ、こらっ、鼻の穴に指が入ってるぞ。
うっ、目を押さえつけるなっ、痛い!
「くへへぇ……しりゅくは柔らかいのぅ」
とろけた声を発しながら、俺を艶かしい手つきで触れてくるのが分かる。
くっ……先は顔だったのに、今は俺の胸を触ってきてる。
ろっロアの奴、完全に寝ぼけてるな? いや、もしかしたら素でやってるのかもしれない……。
まぁ、どっちだろうが関係ない。
今はただ、これを我慢するしかないんだ。
だから落ち着いて、じっとしておこう。
そしたらロアは力尽きて二度寝する、それまで我慢だ。
そう思う俺だが、艶かしく触れられて、身体がぞくぞくしている。
だから我慢とか無理かもしれない……そんな思いが頭を過った時だ。
……何も感じなくなった? どうやら、もう触れられてはいない様だ。
ほっ、どうやら二度寝した様だな。
やれやれ、長い事耐えないといけないと思ったんだが……そんな事は無かったな。
「……っ!」
 
と、思った時だった。
身体に衝撃が走る、その衝撃は、身体全身を貫いた。
てっ手足が痺れる。
瞑っていた目を開けてしまう。
一瞬、自分の身に何が起きたのか分からなかった。
そして、やっと分かった。
俺が今、何をされているのかを……。
「んぅ……くふぁ」
「んぐっ……くぅっ……っ」
ロアにキスをされていた。
眠ったままのキス、柔らかな感触と甘い香り、何度もキスをされ、何度も同じ事を思っているが……ロアとのキスの感想は変わらない。
キスをされたと気付いた俺は、ロアを何度も叩く……そしたら、ロアの顔が少ししかめていく。
「うぅ……にゃんじゃ?」
しまいには、もごもごと動き唇から離れ、眠たい目を擦って俺をまじまじと見つめる。
「…………シルク?」
「おはよう、ロア」
ぽけぇ……とした顔のロア、暫く俺を見つめた後、今自分がしている行動を察して顔を紅く染める。
「おっおぅ……どうやら寝起きでシルクを襲った見たいじゃな、これはもうあれじゃ、責任とるしかないのぅ」
にやにやしながら、頬に手を当てる。
そんなロアに俺は言ってやった。
「キスと抱き付かれる以外は何もされてない、だからそんな顔で俺を見つめるな」
「くふふ、別に隠さんでも良いのじゃぞ?」
「……人の話を聞け」
俺の言う事を聞かずに、まだ変な事を言うロア、あぁ……やっぱりこうなったか。
だからロアにはまだ寝てて欲しかったんだ。
そんな後悔をしつつ、俺は思う。
今日も一日頑張るか。
ただひたすら寝た振りを続けている。
俺のやっているのは狸寝入りだ。
だが、やってて気付いた。
目を瞑ったままでいるのは、意外と気を使う。
動かない様に注意しないといけないし、ロアの様子が見れないし、いつロアが目を覚まして動くか分からない。
それが気になって仕方がない。
だからもう、目を開けてみようか? と度々思うのだが、その度にその考えを振り払う。
仮に俺が目を開けたとする、その時に同時にロアが目覚めたら必然的にロアと目と目が合ってしまう。
その瞬間、ロアは俺に何かを仕掛けるだろう。
もしかしたら、キスされかねない。
いや、奴はする、必ずする! だからそれだけは避けたい。
なので目を開ける訳にはいかない。
あ、別にロアとのキスは嫌じゃない。
あ、いや! 嫌じゃないと言うのは、その……好きとかじゃそう言うのじゃなくて……えと、どきどきしてしまうから嫌だと言う意味だ。
決して、心から嫌ってる訳じゃない。
だっだって……実際に心地良いと思ってしまってるからな……完全に嫌と言う訳じゃないんだ。
って、俺は何を弁解してるんだ! 落ち着け俺っ。
くっ……ロアとナハトは別人だと分かったのに、何故かロアの事を意識してしまう。
くっそ、もどかしいな……。
考えれば考える程、深みにはまってる気がする。
……よし、今はこの事を考えるのはよそう。
下手に考え事をして、ロアが目覚めてるのに気付かなくて、結局バレてしまうと言うのは避けたいからな。
なので、俺は無心になる。
何も考えない、無だ……無になるんだ。
「んっ、んふぅ……ふぁぁ……」
っ! 俺の身体がビクついた。
こっこの眠たそうな声、ロアだ。
ロアが目覚めただと! いつもなら起きるのはずっと先な筈なのに……今日に限って早く起きるのか。
なんて事を考えていると、何やら動きがあった様だ。
「……ん、あぅ? うぉっ……目の前にシルクがおるのぅ。あぁ……もしかして、わらわ、抱き付いておったのかのぅ……」
もぞもぞっと、動きつつそんな事を言ってくる。
そうだ、その通りだ、俺からは何もしていない。
と言うか、まだ眠そうだな、喋り方が途中で途切れてしまいそうな位掠れた声だ。
「シルクも……ねておるのぅ、うぅ……しゃむぃ」
ぎゅっ……。
ロアは更に強く抱き付いて来た。
くっ、寒いなら布団の中に潜れば良いだろう!
なんて思いつつ、俺はロアのむにむにする胸の感触を必死で耐える。
くっそっ、毎回毎回何かと柔らかいのを押し付けてきて……りっ理性を保つのが大変なんだぞ!
「うぅ……あぁ……」
ぺたっ、ぺたぺたっ。
呻き声を出しながら、俺の顔に触れてきてる……。
うぐっ、こらっ、鼻の穴に指が入ってるぞ。
うっ、目を押さえつけるなっ、痛い!
「くへへぇ……しりゅくは柔らかいのぅ」
とろけた声を発しながら、俺を艶かしい手つきで触れてくるのが分かる。
くっ……先は顔だったのに、今は俺の胸を触ってきてる。
ろっロアの奴、完全に寝ぼけてるな? いや、もしかしたら素でやってるのかもしれない……。
まぁ、どっちだろうが関係ない。
今はただ、これを我慢するしかないんだ。
だから落ち着いて、じっとしておこう。
そしたらロアは力尽きて二度寝する、それまで我慢だ。
そう思う俺だが、艶かしく触れられて、身体がぞくぞくしている。
だから我慢とか無理かもしれない……そんな思いが頭を過った時だ。
……何も感じなくなった? どうやら、もう触れられてはいない様だ。
ほっ、どうやら二度寝した様だな。
やれやれ、長い事耐えないといけないと思ったんだが……そんな事は無かったな。
「……っ!」
 
と、思った時だった。
身体に衝撃が走る、その衝撃は、身体全身を貫いた。
てっ手足が痺れる。
瞑っていた目を開けてしまう。
一瞬、自分の身に何が起きたのか分からなかった。
そして、やっと分かった。
俺が今、何をされているのかを……。
「んぅ……くふぁ」
「んぐっ……くぅっ……っ」
ロアにキスをされていた。
眠ったままのキス、柔らかな感触と甘い香り、何度もキスをされ、何度も同じ事を思っているが……ロアとのキスの感想は変わらない。
キスをされたと気付いた俺は、ロアを何度も叩く……そしたら、ロアの顔が少ししかめていく。
「うぅ……にゃんじゃ?」
しまいには、もごもごと動き唇から離れ、眠たい目を擦って俺をまじまじと見つめる。
「…………シルク?」
「おはよう、ロア」
ぽけぇ……とした顔のロア、暫く俺を見つめた後、今自分がしている行動を察して顔を紅く染める。
「おっおぅ……どうやら寝起きでシルクを襲った見たいじゃな、これはもうあれじゃ、責任とるしかないのぅ」
にやにやしながら、頬に手を当てる。
そんなロアに俺は言ってやった。
「キスと抱き付かれる以外は何もされてない、だからそんな顔で俺を見つめるな」
「くふふ、別に隠さんでも良いのじゃぞ?」
「……人の話を聞け」
俺の言う事を聞かずに、まだ変な事を言うロア、あぁ……やっぱりこうなったか。
だからロアにはまだ寝てて欲しかったんだ。
そんな後悔をしつつ、俺は思う。
今日も一日頑張るか。
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