どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
228
「やっやってやる、やってやる……」
ぶつぶつ……。
呪文の様に呟きながら鍋の中身をかき混ぜる鬼騎、さっきラキュが鬼騎をからかったから、鬼騎が可笑しな事になっている。
「ねぇシルク君、さっきから様子が可笑しいよね?」
「……別に普通だが?」
そのラキュが俺を覗き込んで来た。
怪しまれてるな、こう言う事には敏感だからな、バレても構わないと思うんだが一応黙っておこう。
良く分からないが……隠していた方が良いと思うんだよな。
「ふーん……」
う、凄い疑ってきてる。
じとぉ……って睨んできてる、そんなに睨んでくるなよ、いっ一応、感ずかれない様に愛想笑いしておこう。
「ま、良いや」
あ、どうやら諦めたみたいだな。
つまらなそうに俺を見たあと、直ぐに口元を緩ませながら鬼騎を見始める。
「今はこの脳筋が面白いから、気にしないでおくよ」
……別のに興味を示したな。
悪いな鬼騎、暫く犠牲になってくれ。
じゃないと、確定的では無いんだが……嫌な予感がするんだ。
アヤネがメェに告白させる様に動いてる。
ここで、鬼騎が告白させる様に仕向けたら……そりゃもう気まずい事になるだろう。
お互い同時告白なんて事をしてしまえば、鬼騎がヤバイ。
メェはどうなるかは分からないが、鬼騎は確実に色んな感情が溢れて大変な事になるだろう。
普段の鬼騎を見てれば分かる、きっとそんな事が起きれば気絶じゃ済まない……口から魂が出るかもしれない。
これ……冗談で言ってないからな?
本当に起きそうだから怖いんだ、だからラキュには何もしないでいて欲しいんだ。
まぁ……下手に鬼騎が動いて、アヤネの計画が失敗するかもしれないからって理由もあるんだけどな。
と言うか、アヤネもメェに「今すぐ告白しろ」なんて言ってるとも限らないから、こんなに焦って止めなくても良かったかもしれないな……。
ま、念には念を入れといた方が良いよな、うん。
「……ねぇ、ねぇってば」
「っ、うぉっ、どっどうした?」
ラキュがゆさゆさと揺らしてきた。
しまった、話し掛けられてたのか……全く気が付かなかった。
「どうしたじゃないよ、さっきから呼んでるのに……なに? 考え事?」
「あ、あぁ……そんな所だ」
嘘はついてない……。
半笑いしながら、こりこりと頬をかくと、ラキュが無言で見てくる。
さっき「ま、良いや」って言ったんだから、疑いう視線を止めてくれ。
「そう……じゃ、考え事は一旦止めて聞いて欲しいんだけど、良いかな?」
「あ、あぁ……」
聞いて欲しい事か……何だろう? と思っていたら、ラキュが鬼騎を指差した。
その方向を見てみると……。
「やれるやれるやれるやれるやれるやれる……」
狂った様に鍋を掻き回す鬼騎がいた。
おっおい……ここからでもグツグツ言ってるの聞こえるぞ? 煮詰め過ぎてないか?
「なんか面白い事になってるよね」
「いや、面白くない……あれはヤバイだろ」
笑ってる場合じゃないぞ、鬼騎の目を良く見てみろ、虚ろだぞ、あの一瞬で病んでしまってるぞ。
「くっくくっくくく……」
うわ、いきなり笑い始めた、こわっ。
これ……動揺した鬼騎の時より、見たら衝撃を得たな。
俺はもう驚き過ぎて何故か手が震えてるよ。
「ねぇ脳筋、一旦落ち着いたら? そんなんじゃ、この前見たいに告白寸前に気絶しちゃうよ?」
「っ! そっそんな事あるかい!」
ラキュの言葉に動揺する鬼騎、お玉を鍋に強く打ち付けて震え声でラキュに言い放つ。
と言うか……それ、本当か?
さっきやった事、前にもした事あるのか?
で、気絶したんだな。
……気絶で済んでいて安心したよ。
「えぇ、本当? いまいち信憑性無いんだけど……」
「うっ……ぐっ……ぐぎぎぎっ」
ニヤつくラキュを見て歯軋りをする鬼騎。
あぁ……これ、告白出来ないな。
きっと口ごもって失敗する奴だ。
「ま、脳筋は出来る鬼だと信じてるからさ……頑張りなよ」
「応援すんなら、ニヤニヤすんな!」
口喧嘩っぽいのが始まった。
今は黙って見ておこう、今、下手に関わったらダメな気がする。
その時だった、突然脳に刺激が走った。
なんだろ、今変な事が過ったな。
それは……今日、メェから告白して来たらどうなるんだ? 
いや、そんな事ある筈がない。
アヤネに急かされたとしても、今すぐにする何て事はない筈。
告白と言うのは物凄く勇気がいるから簡単には言えないんだ。
……ロアは簡単に言ったが、あれは気持ちがハッキリし過ぎてるからだ。
だから簡単に出来るんだと思う、俺には出来ない事だ。
ロアは凄い奴だよ、本当に。
まぁ、今過った事は俺の杞憂って事にしておこう。
そう思いながらも、変な予感を感じ、俺は変な汗をかいていた……。
ぶつぶつ……。
呪文の様に呟きながら鍋の中身をかき混ぜる鬼騎、さっきラキュが鬼騎をからかったから、鬼騎が可笑しな事になっている。
「ねぇシルク君、さっきから様子が可笑しいよね?」
「……別に普通だが?」
そのラキュが俺を覗き込んで来た。
怪しまれてるな、こう言う事には敏感だからな、バレても構わないと思うんだが一応黙っておこう。
良く分からないが……隠していた方が良いと思うんだよな。
「ふーん……」
う、凄い疑ってきてる。
じとぉ……って睨んできてる、そんなに睨んでくるなよ、いっ一応、感ずかれない様に愛想笑いしておこう。
「ま、良いや」
あ、どうやら諦めたみたいだな。
つまらなそうに俺を見たあと、直ぐに口元を緩ませながら鬼騎を見始める。
「今はこの脳筋が面白いから、気にしないでおくよ」
……別のに興味を示したな。
悪いな鬼騎、暫く犠牲になってくれ。
じゃないと、確定的では無いんだが……嫌な予感がするんだ。
アヤネがメェに告白させる様に動いてる。
ここで、鬼騎が告白させる様に仕向けたら……そりゃもう気まずい事になるだろう。
お互い同時告白なんて事をしてしまえば、鬼騎がヤバイ。
メェはどうなるかは分からないが、鬼騎は確実に色んな感情が溢れて大変な事になるだろう。
普段の鬼騎を見てれば分かる、きっとそんな事が起きれば気絶じゃ済まない……口から魂が出るかもしれない。
これ……冗談で言ってないからな?
本当に起きそうだから怖いんだ、だからラキュには何もしないでいて欲しいんだ。
まぁ……下手に鬼騎が動いて、アヤネの計画が失敗するかもしれないからって理由もあるんだけどな。
と言うか、アヤネもメェに「今すぐ告白しろ」なんて言ってるとも限らないから、こんなに焦って止めなくても良かったかもしれないな……。
ま、念には念を入れといた方が良いよな、うん。
「……ねぇ、ねぇってば」
「っ、うぉっ、どっどうした?」
ラキュがゆさゆさと揺らしてきた。
しまった、話し掛けられてたのか……全く気が付かなかった。
「どうしたじゃないよ、さっきから呼んでるのに……なに? 考え事?」
「あ、あぁ……そんな所だ」
嘘はついてない……。
半笑いしながら、こりこりと頬をかくと、ラキュが無言で見てくる。
さっき「ま、良いや」って言ったんだから、疑いう視線を止めてくれ。
「そう……じゃ、考え事は一旦止めて聞いて欲しいんだけど、良いかな?」
「あ、あぁ……」
聞いて欲しい事か……何だろう? と思っていたら、ラキュが鬼騎を指差した。
その方向を見てみると……。
「やれるやれるやれるやれるやれるやれる……」
狂った様に鍋を掻き回す鬼騎がいた。
おっおい……ここからでもグツグツ言ってるの聞こえるぞ? 煮詰め過ぎてないか?
「なんか面白い事になってるよね」
「いや、面白くない……あれはヤバイだろ」
笑ってる場合じゃないぞ、鬼騎の目を良く見てみろ、虚ろだぞ、あの一瞬で病んでしまってるぞ。
「くっくくっくくく……」
うわ、いきなり笑い始めた、こわっ。
これ……動揺した鬼騎の時より、見たら衝撃を得たな。
俺はもう驚き過ぎて何故か手が震えてるよ。
「ねぇ脳筋、一旦落ち着いたら? そんなんじゃ、この前見たいに告白寸前に気絶しちゃうよ?」
「っ! そっそんな事あるかい!」
ラキュの言葉に動揺する鬼騎、お玉を鍋に強く打ち付けて震え声でラキュに言い放つ。
と言うか……それ、本当か?
さっきやった事、前にもした事あるのか?
で、気絶したんだな。
……気絶で済んでいて安心したよ。
「えぇ、本当? いまいち信憑性無いんだけど……」
「うっ……ぐっ……ぐぎぎぎっ」
ニヤつくラキュを見て歯軋りをする鬼騎。
あぁ……これ、告白出来ないな。
きっと口ごもって失敗する奴だ。
「ま、脳筋は出来る鬼だと信じてるからさ……頑張りなよ」
「応援すんなら、ニヤニヤすんな!」
口喧嘩っぽいのが始まった。
今は黙って見ておこう、今、下手に関わったらダメな気がする。
その時だった、突然脳に刺激が走った。
なんだろ、今変な事が過ったな。
それは……今日、メェから告白して来たらどうなるんだ? 
いや、そんな事ある筈がない。
アヤネに急かされたとしても、今すぐにする何て事はない筈。
告白と言うのは物凄く勇気がいるから簡単には言えないんだ。
……ロアは簡単に言ったが、あれは気持ちがハッキリし過ぎてるからだ。
だから簡単に出来るんだと思う、俺には出来ない事だ。
ロアは凄い奴だよ、本当に。
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