どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
173
ーー翌朝、久し振りに俺は普通に目が覚めた。
ビックリするくらい静かで何も起きない朝……俺の隣にいるアヤネとロアはまだ寝ている、時間は6時、早く起きすぎたらしい、まだ寝ているのは当たり前だろう。
「ふっ……あぁぁっ」
布団から上半身だけを起こして大きく伸び……まだ眠い。
だが、目覚めてしまった……二度寝しようかとは考えたが……止めておいた。
「すぅ……すぅ……むにゃ」
寝息をたてるロア、もごもごと身体を動かして表情を緩ませ口をパクパクさせている。
時折「くふふふぅ……」と不適に笑っては左右に、ごろんごろんと寝返りを打つ。
見ただけで分かる、ロアが今どんな夢を見ているかをな……。
で、アヤネの方はと言うと。
「くぅ……かぁ……」
普通に静かに寝ていた、結っていた髪をほどいて今はロングヘア……俺は無意識にその髪に触れる。
「……んっ……ふふぅ」
あっ、笑った……本当は起きてるのか? そう思って頬をつついてみたが……寝ていた、嫌な顔してそっぽをむいてしまった。
まぁ、昨日は色々あったから深い眠りについてるんだろう……仕方無いよな。
「ほんと……無事で良かった」
そう呟いた後、自分の頬をかく。
あの時は必死で走り回った……お陰で服はビリビリ、足も痛くなって、枝で引っ掻いたのか擦り傷を被ってしまった。
それを治さないまま寝てしまって今に至る、痛さは消えているが足の痛さは消えていない……確実に筋肉痛だろうな。
「こりゃ、ロアが起きたらメェの所に連れていかれるな」
そして傷を見てもらって薬をつけられるだろう、と言うかそうでなくてもメェの場合「シルク君っ、昨日傷を負いましたね? 見せるですっ」って言われて看病されるんだろう。
してくれるのはありがたいが……なにせ、あいつの薬は恐ろしいからな……出来れば看病されたくない。
「と、そんな事はさておき……」
ちらっ……。
アヤネを見る俺、昨日の事など忘れてしまったかの様に寝ている。
だが起きたらきっとしょんぼりするだろう……昨日のアヤネは酷く落ち込んでいた。
きっと、気にするなとか元気だせと言う言葉を聞いた所でいつもの元気は取り戻さないだろう。
俺に原因があるんだから俺が何とかするべきだ。
変に元気つける言葉は逆効果……だとすれば何が出切る、俺は何をすべきなんだ?
可能性は低いがこのままアヤネが起きていつもの元気な顔を見せてくれれば問題は無いんだが……。
「そんなのあり得ない……よな」
確実にアヤネは昨日の事を引きずるだろう。
アヤネはそんな娘だ、俺が勝手に思っているだけだろうが……そんな気がする。
皆もそれを分かって重い空気になる事は確実、ならば対策をたてれば良い話なのだが……そんな簡単に思い付いていればこうも悩んでいない。
「ここで考えても何も浮かばないな」
と言うか今じっとしてるのは何か嫌だ……よしっ、決めた。
「歩くか、そしたら何か思い付くだろう」
寝巻きのまま立ち上がり、2人を起こさない様に部屋からでる、身体を動かしたら脳は活発になると言うし……宿の中を歩いてれば何か良い案が思い付けばそれでこの件は万事解決だ。
歩き初めて暫く経った頃、連絡通路の様な所に俺はいた。
そこはガラス張り……下もガラスだから360度海中の様子が見える。
朝日が出ているのか少し暗い蒼の景色にキラキラと白の輝く光が差し込んでいる。
とても綺麗だ、珊瑚や海藻、魚達もそれに当てられて優雅に泳ぐ……あっ、人魚だ、今人魚が横切った……。
「今更だが普通に魔物が人間界で生活してるんだな……」
ほんと……今更なんだが、改めて驚きだ。
「……全面ガラス張りはここで終わりか」
そんな光景に驚きつつも普通の廊下に差し掛かる。
この辺は部屋だからガラス張りと言う訳にも行かないんだろうな。
「さて、考えながら歩いてここまで来たが……迷った」
ははは、情けない話だな……どこぞの誰かさんと同じ様な事を経験してしまった。
「考えながら身体を動かすのも……問題があるんだな」
はぁ……仕方ない、今は一旦アヤネの事は置いて無事元いた部屋に戻るかを考えるか。
そう思って前を歩いていると……人影が見えた、立ち止まって目を凝らしていると誰なのかが分かった。
「ん? てめぇはシルクか、こんな所で何してんだ?」
リヴァイだ、着物をくずしてるから大胸筋をチラ見せしてる、そんな彼は白髪の髪をポリポリとかきむしる。
と言うか、リヴァイと2人きりでこうして会ったの初めてかもしれない。
「いや、歩いてたら迷った……だから帰り道を探してる所だ」
「そうかよ」
そう言ったリヴァイは後ろを向いて歩いていく、あっ……助けてくれる訳じゃないんだな。
とか思ってるとちらっとこっちを向いた、じぃ……と俺を睨んだ後面倒臭そうにこう言って来た。
「何突っ立ってんだ……とっとと来いよ」
「っ、あっ……あぁ」
なんだ、助けてくれるのか……紛らわしい、だが助けてくれるのは嬉しい、なので早足でリヴァイの真後ろまで行き着いていく、するとリヴァイは前を向きながら話し掛けて来た。
「お前……色々悩んでるみてぇだが、固く考え過ぎだ」
「……え?」
けっ……。
舌打ちした後リヴァイは斜め上を見上げた、なっなんだ? リヴァイは何を言ってるんだ。
「取り合えず着いて来い、後で皆には事情を話しておいてやらぁ」
「あっ……えと、なっ何の事を言って……あっおい! 待てっ」
聞き終わる前にリヴァイは歩くスピードを速めた、それに追い付く様に俺も足を速める。
「てめぇには色々頑張って貰う、因みに拒否権はねぇ」
「いっ色々?」
がっ頑張って貰うだと? なんだ? この不気味すぎる言葉は……。
それから色々と追求したがそれからリヴァイは何も喋らなかった、なっなんなんだ? そう思った俺も何も話さなくなった、良く分からないが……今は着いていくしかないよな。
早いとこリヴァイに部屋に連れて言って貰ってアヤネをどうするか考えるとしよう。
ビックリするくらい静かで何も起きない朝……俺の隣にいるアヤネとロアはまだ寝ている、時間は6時、早く起きすぎたらしい、まだ寝ているのは当たり前だろう。
「ふっ……あぁぁっ」
布団から上半身だけを起こして大きく伸び……まだ眠い。
だが、目覚めてしまった……二度寝しようかとは考えたが……止めておいた。
「すぅ……すぅ……むにゃ」
寝息をたてるロア、もごもごと身体を動かして表情を緩ませ口をパクパクさせている。
時折「くふふふぅ……」と不適に笑っては左右に、ごろんごろんと寝返りを打つ。
見ただけで分かる、ロアが今どんな夢を見ているかをな……。
で、アヤネの方はと言うと。
「くぅ……かぁ……」
普通に静かに寝ていた、結っていた髪をほどいて今はロングヘア……俺は無意識にその髪に触れる。
「……んっ……ふふぅ」
あっ、笑った……本当は起きてるのか? そう思って頬をつついてみたが……寝ていた、嫌な顔してそっぽをむいてしまった。
まぁ、昨日は色々あったから深い眠りについてるんだろう……仕方無いよな。
「ほんと……無事で良かった」
そう呟いた後、自分の頬をかく。
あの時は必死で走り回った……お陰で服はビリビリ、足も痛くなって、枝で引っ掻いたのか擦り傷を被ってしまった。
それを治さないまま寝てしまって今に至る、痛さは消えているが足の痛さは消えていない……確実に筋肉痛だろうな。
「こりゃ、ロアが起きたらメェの所に連れていかれるな」
そして傷を見てもらって薬をつけられるだろう、と言うかそうでなくてもメェの場合「シルク君っ、昨日傷を負いましたね? 見せるですっ」って言われて看病されるんだろう。
してくれるのはありがたいが……なにせ、あいつの薬は恐ろしいからな……出来れば看病されたくない。
「と、そんな事はさておき……」
ちらっ……。
アヤネを見る俺、昨日の事など忘れてしまったかの様に寝ている。
だが起きたらきっとしょんぼりするだろう……昨日のアヤネは酷く落ち込んでいた。
きっと、気にするなとか元気だせと言う言葉を聞いた所でいつもの元気は取り戻さないだろう。
俺に原因があるんだから俺が何とかするべきだ。
変に元気つける言葉は逆効果……だとすれば何が出切る、俺は何をすべきなんだ?
可能性は低いがこのままアヤネが起きていつもの元気な顔を見せてくれれば問題は無いんだが……。
「そんなのあり得ない……よな」
確実にアヤネは昨日の事を引きずるだろう。
アヤネはそんな娘だ、俺が勝手に思っているだけだろうが……そんな気がする。
皆もそれを分かって重い空気になる事は確実、ならば対策をたてれば良い話なのだが……そんな簡単に思い付いていればこうも悩んでいない。
「ここで考えても何も浮かばないな」
と言うか今じっとしてるのは何か嫌だ……よしっ、決めた。
「歩くか、そしたら何か思い付くだろう」
寝巻きのまま立ち上がり、2人を起こさない様に部屋からでる、身体を動かしたら脳は活発になると言うし……宿の中を歩いてれば何か良い案が思い付けばそれでこの件は万事解決だ。
歩き初めて暫く経った頃、連絡通路の様な所に俺はいた。
そこはガラス張り……下もガラスだから360度海中の様子が見える。
朝日が出ているのか少し暗い蒼の景色にキラキラと白の輝く光が差し込んでいる。
とても綺麗だ、珊瑚や海藻、魚達もそれに当てられて優雅に泳ぐ……あっ、人魚だ、今人魚が横切った……。
「今更だが普通に魔物が人間界で生活してるんだな……」
ほんと……今更なんだが、改めて驚きだ。
「……全面ガラス張りはここで終わりか」
そんな光景に驚きつつも普通の廊下に差し掛かる。
この辺は部屋だからガラス張りと言う訳にも行かないんだろうな。
「さて、考えながら歩いてここまで来たが……迷った」
ははは、情けない話だな……どこぞの誰かさんと同じ様な事を経験してしまった。
「考えながら身体を動かすのも……問題があるんだな」
はぁ……仕方ない、今は一旦アヤネの事は置いて無事元いた部屋に戻るかを考えるか。
そう思って前を歩いていると……人影が見えた、立ち止まって目を凝らしていると誰なのかが分かった。
「ん? てめぇはシルクか、こんな所で何してんだ?」
リヴァイだ、着物をくずしてるから大胸筋をチラ見せしてる、そんな彼は白髪の髪をポリポリとかきむしる。
と言うか、リヴァイと2人きりでこうして会ったの初めてかもしれない。
「いや、歩いてたら迷った……だから帰り道を探してる所だ」
「そうかよ」
そう言ったリヴァイは後ろを向いて歩いていく、あっ……助けてくれる訳じゃないんだな。
とか思ってるとちらっとこっちを向いた、じぃ……と俺を睨んだ後面倒臭そうにこう言って来た。
「何突っ立ってんだ……とっとと来いよ」
「っ、あっ……あぁ」
なんだ、助けてくれるのか……紛らわしい、だが助けてくれるのは嬉しい、なので早足でリヴァイの真後ろまで行き着いていく、するとリヴァイは前を向きながら話し掛けて来た。
「お前……色々悩んでるみてぇだが、固く考え過ぎだ」
「……え?」
けっ……。
舌打ちした後リヴァイは斜め上を見上げた、なっなんだ? リヴァイは何を言ってるんだ。
「取り合えず着いて来い、後で皆には事情を話しておいてやらぁ」
「あっ……えと、なっ何の事を言って……あっおい! 待てっ」
聞き終わる前にリヴァイは歩くスピードを速めた、それに追い付く様に俺も足を速める。
「てめぇには色々頑張って貰う、因みに拒否権はねぇ」
「いっ色々?」
がっ頑張って貰うだと? なんだ? この不気味すぎる言葉は……。
それから色々と追求したがそれからリヴァイは何も喋らなかった、なっなんなんだ? そう思った俺も何も話さなくなった、良く分からないが……今は着いていくしかないよな。
早いとこリヴァイに部屋に連れて言って貰ってアヤネをどうするか考えるとしよう。
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