FORSE

巫夏希

12

そのころ、外にいたサリドたち。

「……あのままだと、また復活しそうだぞ?! サリド、どうする!!」

「まあ慌てるなって、グラム。わかってるよ、それくらいさ」

そう言ってサリドはグラムに何かを渡す。

「合図と同時にこれをやつに向かって投げろ。その隙を狙ってコックピットに侵入する」

「サリド、おまえ何いってんだ?! まじでそれをやるつもりか!!」

グラムの問いにサリドは大きく頷く。

「頼めるのはおまえしかいない。今から俺はあいつに向かう。それを確認して、五秒経ったら投げてくれ。わかったな?」

「……わかった」

グラムは頷いて、それを受け取る。

そして。

サリドは第三世代に向けて走り出した。

横から行くのでもなく、真正面から。

「?! あいつ、馬鹿か?! いくらなんでも真正面から行くだと?!」

グラムは双眼鏡から遠ざかっていくグラムを眺めて言った。

それは第三世代の中にいたヴァリヤーも考えていたわけで。

「マスター。正面からサリド・マイクロツェフと思しき人間が走ってきます」

「馬鹿な。この第三世代に素手で、しかも一人で挑もう、とでも? そんなのは無理に決まっている」

「では、どうしましょう」

「どうもこうもない。コイルガンでも撃って恐怖を植え付けるか」

「……了解しました」

ノータは僅かに躊躇った後、改めて操縦かんを強く握った。

そのときだった。

パン、と。

銃声にも似た破裂音が響いた。


「?」

それを聞いて思わずノータは操縦かんから手を離した。

「お、おい! 何をしている! さっさと彼奴に向かってコイルガンを……!!」

「無駄だよ」

冷たい、音がヴァリヤーの首筋に響いた。

ヴァリヤーはそれを聞き、狼狽えもせず、静かに尋ねる。

「……サリド・マイクロツェフか?」

その質問に対し、銃を持つ男はもう一度冷たい音を響かせ、言った。

「ああ。そうだ」

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