FORSE

巫夏希

2-5

「やっぱりさすが、って感じかなぁ。肺活量も一般人と比べて尋常じゃないくらいあるんじゃない?」

サリドはやっぱりなんかの雑誌を読みながら缶コーヒーを飲んでいた。

「また雑誌読んでるのか……。お前はほんとに大好きだな」

「それは誉めているのか、貶しているのか?」

サリドはため息をつき、雑誌に栞を挟み、閉じる。

「ちょっと読むぞ」

「んー」

サリドはどこからか持ってきたイチゴ大福を頬張りながら言った。

「なんだよお前、俺にもよこせよっ」

そう言いグラムはサリドの右手にあったイチゴ大福を奪い取り自分の口に放り込んだ。なんとなくサリドが悲しげな表情をしている気もしたが、甘いものを独り占めしているお前が悪いんだ、とグラムは目で静かに言った。

さてグラムはサリドから奪い取ったイチゴ大福を食べながら、サリドが読んでいた雑誌を見ると表紙は何処と無くよく言う萌え要素がこれでもかと詰め込まれた女の子だった。

少しだけ緊張しながら表紙を開くとページいっぱいに文が書かれ、数ページ毎にイラストが描かれていた。

そう、これは世間でいうところのライトノベル雑誌だった。


「おい、サリド。これは……!!」

グラムはあまりの驚愕に絶句していた。

「まぁまぁ、別に僕がどんな雑誌を読んでようと構わないだろ?」

「ま、まぁ……、確かにな?」

グラムはそう言って雑誌をサリドの前に置かれている机に置いた。

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