FORSE

巫夏希

だが少女が出した答えは、サリドが思ったものの斜め上になるものだったのだ。

「……秘密のある、女の方がかっこいいでしょう?」

「よーし、今から三まで数えるから、それまでに吐け。でねーと殴るぞ」

「ちょっと待って?! それ然り気無く脅迫してない?!」

「三、」

「しかも話聞いてないし!」

「二、」

「え……? まじで? まじなの?」

少女の顔には明らかに汗が浮かんでいた。

「一、」

「……!!」

彼女が思わず目を閉じた、

その時だった。

サリドの携帯端末がけたたましい電子音を響かせた。

「……こんなときに、なんだ? ……あぁ、VMか」

そう言いながら、非常に手際よく携帯端末のロックを解除し、メールアプリを起動した。

「……リーフガットさんか。なんだってんだ? いったい?」

そう言いながら、非常にめんどくさそうにサリドはVMの再生をクリックした。

『もしもし。サリド? もし今王都にいるならこれからノータとヒュロルフタームのパルス位相のチェックを行うから来てもらえるかしら。あっ、そうそう。力仕事もあるからグラム・リオールも連れてくること。解ったわね?』

「……という訳で仕事のようだ」

サリドは溜め息混じりに呟いた。

「あっそ。じゃっ、私行くから」

そう言って彼女はすたすたと歩いていった。

サリドが止めようとした、その隙ですら与えられなかった。

「……なんだったんだ? いったい」

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