FORSE
6
「……どうした。急に? 我々を呼んで、何かあったというのか?」
突然、部屋の椅子の一つから人間が“生み出された”。
「いや、呼んだのは“闇潜”……ストライガーではありませんよ」
女将は生み出されたそれに小さく呟いた。
「ふん。そうでもそうじゃなくても私は今ムカムカしている。なんだ? 誰が我ら使徒を呼び寄せた? この“龍風”を呼ぶ重大に足る事か? そんなこと使徒結成……いや少なくとも闇潜が使徒として認められた10年前から有り得ないことだ」
「存じております。龍風。だが、それは今口論すべきことではない。そうだろう? 今集合が決されたのであるから、それに反することはしてならぬはずだよ」
「ふん。若者が」
龍風はストライガー――闇潜の言葉を聞き、苛立ちを隠せないものの、何も言うことはなく自らの席に座った。
「……まだ全然来てませんね。……闇潜、座ってお待ちください」
女将の言葉に闇潜は頷き自らの決められた席へと座った。
「なんだぁ? 闇潜も、龍風も随分早いなぁ」
その荘厳な雰囲気をぶち壊す陽気な笑い声が聞こえてきたのは、闇潜が座ってすぐのことだった。
「なんだ、式神か。来ていたのか?」
「いやぁ、龍風。何年ぶりだ? お前さん変わんないねぇ~!」
「お前もな。式神」
龍風は式神、と呼んだ青年と会話に花を咲かせていた。
「さて……龍風、式神。そろそろ席に着いてもらってもいいかな?」
気づくと闇潜から見て一番向こうにある席には人が座っていた。否、既に“全ての席が必然的に埋まっていた”。
「おっ……水神か。……いや、欠番とでも言うべきか。今は」
「龍風。今は呼び名に関してどうこう言うものではない。私の《欠番》就任はもう五年も前のことだ」
水神は自らが装着している眼鏡をかけ直し、
「……さて、では始めるとするか」
「大神道会の全てを決める、会議を」
突然、部屋の椅子の一つから人間が“生み出された”。
「いや、呼んだのは“闇潜”……ストライガーではありませんよ」
女将は生み出されたそれに小さく呟いた。
「ふん。そうでもそうじゃなくても私は今ムカムカしている。なんだ? 誰が我ら使徒を呼び寄せた? この“龍風”を呼ぶ重大に足る事か? そんなこと使徒結成……いや少なくとも闇潜が使徒として認められた10年前から有り得ないことだ」
「存じております。龍風。だが、それは今口論すべきことではない。そうだろう? 今集合が決されたのであるから、それに反することはしてならぬはずだよ」
「ふん。若者が」
龍風はストライガー――闇潜の言葉を聞き、苛立ちを隠せないものの、何も言うことはなく自らの席に座った。
「……まだ全然来てませんね。……闇潜、座ってお待ちください」
女将の言葉に闇潜は頷き自らの決められた席へと座った。
「なんだぁ? 闇潜も、龍風も随分早いなぁ」
その荘厳な雰囲気をぶち壊す陽気な笑い声が聞こえてきたのは、闇潜が座ってすぐのことだった。
「なんだ、式神か。来ていたのか?」
「いやぁ、龍風。何年ぶりだ? お前さん変わんないねぇ~!」
「お前もな。式神」
龍風は式神、と呼んだ青年と会話に花を咲かせていた。
「さて……龍風、式神。そろそろ席に着いてもらってもいいかな?」
気づくと闇潜から見て一番向こうにある席には人が座っていた。否、既に“全ての席が必然的に埋まっていた”。
「おっ……水神か。……いや、欠番とでも言うべきか。今は」
「龍風。今は呼び名に関してどうこう言うものではない。私の《欠番》就任はもう五年も前のことだ」
水神は自らが装着している眼鏡をかけ直し、
「……さて、では始めるとするか」
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