FORSE

巫夏希

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そしてその頃リーフガットもサリドと同様神殿協会の目的について知らされていた。

「……なんてこと。まさかそんなことを仕出かそうだなんて……!!」

「あのメタモルフォーズはオリジナルフォーズという名前だ。神殿協会は随分前にあれが生命の実しか入ってない、謂わば未完成であることが解っていたんだろうな。だが、肝心の知恵の実はどこにもなかった。そう、今年までは」

「……どういうことだ?」

「考えてもみろ。神殿協会が激しい行動を始めたのは今年からだ。俺の情報によりゃプログライト戦争にも神殿協会が関与をしていると思われる。そう、全てはこの日のために、神殿協会は仕組んでいたんだ」

「知恵の実が今日にならないと出てこない、ということか……!!」

リーフガットの驚いた顔を見て、ネフィルティティ(ちなみにまだリーフガット擬きである)は楽しそうに笑っていた。

「笑ってる場合じゃないだろ?! 世界が消滅するかもしれないんだぞ?!」

「あー、するだろうね。だが、それは自然の摂理だ。誰にも逆らえないとは思うけどね」

「貴様……、それでも軍人か……!!」

リーフガットはネフィルティティの胸倉を鷲掴み、言う。

「……解っているだろう。リーフガット」だが、ネフィルティティは抵抗もせず、

「もうダメなんだよ。誰が足掻こうとも神はもう降臨する。もう……ダメなんだ……!!」

「いや、まだダメじゃない」リーフガットは微笑み、「まだ私のかわいい部下がいるからな」

そう呟いた。






「神の降臨……って。そんなことをしてしまえば……!!」

「話はまだ続いているよ」

サリドと修一は神の降臨についてまだ話をしていた。

「知恵の実は俺が持っているこれだが、実はもう一個ある」

「?」

「知っているかな? 知恵の実は簡単に言えば『地球の記憶』を濃縮させたものだ。よって知恵の実はマントルに蓄えられた46億年の記憶、歴史より成る。……だが。それは知恵の実だけではなく、槍状の何かにも移った。それを形成したのがマントルの金属、例えばニッケルとからしいからな。槍は確かシャルーニュに補完されていると聞く。地に埋めたんだと。大地に落ちてある瞬間に莫大なエネルギーが地表へ放出されるらしいが、そのへんの詳しいメカニズムは解らない。そして、時は来たんだろう。『はじまりの福音書』のタイムリミット、ってやつだな。今頃奴らは発掘に躍起しているころだよ」


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