FORSE
後編
「……さて、みんな集まってくれて、助かるよ」
そのあと、リーフガットから全員に集合命令がかかったので、リーフガットのいた場所へ集まった。
リーフガットがいた場所は軽食店であった。茅葺き屋根が新鮮である。
「という訳で……まあ何故サリドの頬が膨らんでいるのか、フランシスカが顰め顔であるのか、それは聴かない方がいいな」団子を一つ頬張りながら、「ひとまず、私がこの数日世界を調査した結果を報告する。なに、世界事情ってやつだ」
「まず世界全体について。世界は6つに分割されていた。大小はあるものの、6つに、だ。私たちがいる場所はここ」そう言ってリーフガットは机に広げた世界地図のある場所――たしかとある島国の真ん中あたりだったように思える――を指さした。
「なるほど。それで分割されたのはどこまでですか?」サリドはそう言って尋ねる。
「そうだな。北はレイザリーとグラディアの国境であるウゴール川だ。ジャパニアは南西に位置している。今、シャルーニュもレイザリーに統合しているためにほとんどがレイザリー領と化している。レイザリーは近く国号を帝政レイザリーへと変えるらしい。ジャパニア、アポロン、フェイナー、サン・モンテカルロ、そしてプログライトの6国はレイザリーと友好関係を持っていたからか、統合されることはなかったらしい」
「……世界の殆どが宇宙に放り出された、と」
「そういうことになる」リーフガットは小さく頷いた。
「そういえば、私が世界を調査して気になったことが一個だけある」
リーフガットは地図から指を放し、再び団子の棒を握るとまた団子を一つ頬張った。
「……なんですか?」
「レイザリーの北にはアルカパード山というのがある。それは知ってるな?」
リーフガットの言葉にサリドは小さくうなずいた。
「えぇ、確か神殿協会から聖山と呼ばれていた場所でしたっけ。だからレイザリーはしつこく神殿協会に領土の譲渡を要請され続けたとか」
「そうだ。……そして神殿協会は先の戦いにより解体されたはずだった。だが……そう簡単に話は進まないものだ」
「どういうことですか?」
「簡単に言えば済む話だ。あの“聖山”には未だ神殿協会の信者が大勢いる。やつら、まだ目的があるらしい」
そう言った頃にはリーフガットは団子串を一本食べ終えていた。
「……あのオリジナルフォーズを動かし、世界をほぼ壊滅させたというのに、まだ何か……あると?」
「簡単に言えば、そういう話だ。サリドとグラムにゃその調査を頼もうかと思うよ」
「何勝手に決めてるんですか!」
今度は今まで会話に参入して来なかったグラムが口を開いた。
が、
「なんだ?」
「いえ……なんでもないです!!」
リーフガットの言わずとも解る圧力で、グラムはすぐに口を封じられた。
「……で、話を戻すけど、なんでアルカパード山で神殿協会の信者が屯してるかといえば……」
リーフガットは勿体ぶるかのように、顔を少し近付けて、
「……やつらは“終末計画”なるものを実行するつもりらしいぞ」
そう、言った。
FORSE第二部 -かげろいの歌姫-へつづく。
そのあと、リーフガットから全員に集合命令がかかったので、リーフガットのいた場所へ集まった。
リーフガットがいた場所は軽食店であった。茅葺き屋根が新鮮である。
「という訳で……まあ何故サリドの頬が膨らんでいるのか、フランシスカが顰め顔であるのか、それは聴かない方がいいな」団子を一つ頬張りながら、「ひとまず、私がこの数日世界を調査した結果を報告する。なに、世界事情ってやつだ」
「まず世界全体について。世界は6つに分割されていた。大小はあるものの、6つに、だ。私たちがいる場所はここ」そう言ってリーフガットは机に広げた世界地図のある場所――たしかとある島国の真ん中あたりだったように思える――を指さした。
「なるほど。それで分割されたのはどこまでですか?」サリドはそう言って尋ねる。
「そうだな。北はレイザリーとグラディアの国境であるウゴール川だ。ジャパニアは南西に位置している。今、シャルーニュもレイザリーに統合しているためにほとんどがレイザリー領と化している。レイザリーは近く国号を帝政レイザリーへと変えるらしい。ジャパニア、アポロン、フェイナー、サン・モンテカルロ、そしてプログライトの6国はレイザリーと友好関係を持っていたからか、統合されることはなかったらしい」
「……世界の殆どが宇宙に放り出された、と」
「そういうことになる」リーフガットは小さく頷いた。
「そういえば、私が世界を調査して気になったことが一個だけある」
リーフガットは地図から指を放し、再び団子の棒を握るとまた団子を一つ頬張った。
「……なんですか?」
「レイザリーの北にはアルカパード山というのがある。それは知ってるな?」
リーフガットの言葉にサリドは小さくうなずいた。
「えぇ、確か神殿協会から聖山と呼ばれていた場所でしたっけ。だからレイザリーはしつこく神殿協会に領土の譲渡を要請され続けたとか」
「そうだ。……そして神殿協会は先の戦いにより解体されたはずだった。だが……そう簡単に話は進まないものだ」
「どういうことですか?」
「簡単に言えば済む話だ。あの“聖山”には未だ神殿協会の信者が大勢いる。やつら、まだ目的があるらしい」
そう言った頃にはリーフガットは団子串を一本食べ終えていた。
「……あのオリジナルフォーズを動かし、世界をほぼ壊滅させたというのに、まだ何か……あると?」
「簡単に言えば、そういう話だ。サリドとグラムにゃその調査を頼もうかと思うよ」
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今度は今まで会話に参入して来なかったグラムが口を開いた。
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「いえ……なんでもないです!!」
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「……で、話を戻すけど、なんでアルカパード山で神殿協会の信者が屯してるかといえば……」
リーフガットは勿体ぶるかのように、顔を少し近付けて、
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そう、言った。
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