現世(うつしよ)と幻(うつつ)の世界で……
第82話、ようやく再会できましたが、祐也激怒しています。
「祐也‼」
わぁぁ、来てくれたぁぁ、嬉しいなぁ‼
尻尾パタパタ、ドジのジャック・ラッセル・テリアのアンジュのように無邪気に喜んでいる穐斗。
それを見て、祐也は、
『白無垢とは思いませんでした、先輩』
『ふーん、で、お前の言いたいことは?』
『一応二つあって、一つは、重くて穐斗の体力奪うので担いでもいいですがそれも俺の体力消耗します‼こんなときに最悪‼』
『もう一つは?』
日向が振ると、
『似合いすぎてて、腹立ちます‼それにさわんなよ‼エロ親父‼』
『行け‼忠犬。日本の親父にはちゃんと勇姿を送っておく‼』
『送ってって、戦ってくださいよ‼先輩‼』
アルテミスと戦い始めるガラハッド、そして、手を伸ばしてくる穐斗を取り戻そうとすると、赤い着物の女が立ちふさがる。
「あら、下賤な人間が、妖精の祝いの席に立ち入るなんて……無粋だこと」
「無粋で結構だ。オバさん。年いくつだ?白粉厚いぞ?」
「何ですって⁉」
飛びかかってきた椿からスッと身を引く。
「あら?女性にてを出さないとでも言いたいのかしら?」
追いかけてくる椿を避けていく、ムキになる椿の気が一瞬それた時に、顔面に紅が投げつける。
パンッ
と割れた物からは、粉が弾ける。
「な、何なの、な、……へっくちっ‼」
くしゃみを始める椿に近づいた艶蕗の顔面にも同様に投げつけ、二人の周囲は白煙にまみれる。
その隙に穐斗をと駆け寄るが、
「あんたのせいで‼」
と逆恨みを隠そうとしないMEGが飛びかかるのを、ウェインは腰に腕を回して捕まえる。
その姿に、一瞬ムッとする紅。
「MEG‼……いつも同様、スットンだね。はい!紅‼投げていいよ‼」
「よーし‼この恨みいつ晴らさずべきか‼今だぜ、いっけぇぇ‼」
大好きな兄や穐斗たちを巻き込むきっかけを作った存在に、おもいっきり投げつける。
「穐斗‼」
駆け寄った祐也が抱き締める。
「うわぁぁぁん‼祐也ぁぁ‼」
「泣いてる暇なし‼脱げ‼」
「脱ぎ方解んないよ‼」
「とにかく剥がす‼」
近づいてきていた日向も手伝い、何とか単衣に一枚をぐるぐるまきにして、祐也が肩に担ぐ。
「わぁぁ‼お腹が、痛い~‼揺れる~‼」
「黙って‼一時的に、機能麻痺させてるから‼」
ウェインは一番前を走る祐也のすぐ後ろで、周囲を見回しつつ追いかける。
そしてガラハッドは、シャベルを操り、剣のアルテミスに向かい合っていた。
「なぁ、アルテミスさんよ。あんたは何がしたいんだ?」
問いかけるガラハッドに、アルテミスは、
「面白いことだ」
「何が面白いんだ?わしにはあんたがやっている『面白いこと』が良くわからん。あんたは良く笑うが、目は冷たくて、嘘だとわかる。逆にイライラしていたりむしゃくしゃしているときのあんたはコロコロと表情が変わる。何が歯がゆいんだ?何に苛立っとんだ?何が嫌なんだ?」
「五月蠅い‼なにもわからんお前が、恩を売るのか?あぁ?」
「恩は売らんが口と手は出す‼わしは、納得できんことは、納得できるまでとことん聞くんだよ。答えてくれ。あんたは、自分に苛立っているんだろう⁉」
「五月蠅い‼黙れ‼」
ガラハッドは、アルテミスの剣を、受けると押し返す。
「だまっとったら、あんたはますます訳のわからない『奇行』に走る、いいや、逃げとるんだよ。あんたは逃げとる。うちのモルドレッドと同じく‼思春期の反抗期の子供じゃあるまいし、孫もいるじじいが、何をやっとんだ‼」
ブン‼
と振ると、アルテミスが吹っ飛び、剣が転がった。
飛び付こうとしたアルテミスよりも身の軽い紅が、剣を蹴り飛ばすと、愛用の弓を構える。
『あたしは、何がなんだかわかんないけど、ゆうにいちゃんとあきちゃんが選んだ道を応援する。その祝福と、穢れを浄める為に……』
弓の弓弦を楽器のように、少し引き、弾く。
ポン、ポン、ポン、ポン……。
跳ねるような音に、周囲のざわめきに乱れたような何かが整えられていく。
『妖精は、まだ妖精の城にいるってモルガーナさんは言ってた。だったら妖精の国にかえって。季節が巡ったら、この世界に遊びに来て……』
ガラハッドには、異国の少女が神聖な何かに見えたのだった……。
わぁぁ、来てくれたぁぁ、嬉しいなぁ‼
尻尾パタパタ、ドジのジャック・ラッセル・テリアのアンジュのように無邪気に喜んでいる穐斗。
それを見て、祐也は、
『白無垢とは思いませんでした、先輩』
『ふーん、で、お前の言いたいことは?』
『一応二つあって、一つは、重くて穐斗の体力奪うので担いでもいいですがそれも俺の体力消耗します‼こんなときに最悪‼』
『もう一つは?』
日向が振ると、
『似合いすぎてて、腹立ちます‼それにさわんなよ‼エロ親父‼』
『行け‼忠犬。日本の親父にはちゃんと勇姿を送っておく‼』
『送ってって、戦ってくださいよ‼先輩‼』
アルテミスと戦い始めるガラハッド、そして、手を伸ばしてくる穐斗を取り戻そうとすると、赤い着物の女が立ちふさがる。
「あら、下賤な人間が、妖精の祝いの席に立ち入るなんて……無粋だこと」
「無粋で結構だ。オバさん。年いくつだ?白粉厚いぞ?」
「何ですって⁉」
飛びかかってきた椿からスッと身を引く。
「あら?女性にてを出さないとでも言いたいのかしら?」
追いかけてくる椿を避けていく、ムキになる椿の気が一瞬それた時に、顔面に紅が投げつける。
パンッ
と割れた物からは、粉が弾ける。
「な、何なの、な、……へっくちっ‼」
くしゃみを始める椿に近づいた艶蕗の顔面にも同様に投げつけ、二人の周囲は白煙にまみれる。
その隙に穐斗をと駆け寄るが、
「あんたのせいで‼」
と逆恨みを隠そうとしないMEGが飛びかかるのを、ウェインは腰に腕を回して捕まえる。
その姿に、一瞬ムッとする紅。
「MEG‼……いつも同様、スットンだね。はい!紅‼投げていいよ‼」
「よーし‼この恨みいつ晴らさずべきか‼今だぜ、いっけぇぇ‼」
大好きな兄や穐斗たちを巻き込むきっかけを作った存在に、おもいっきり投げつける。
「穐斗‼」
駆け寄った祐也が抱き締める。
「うわぁぁぁん‼祐也ぁぁ‼」
「泣いてる暇なし‼脱げ‼」
「脱ぎ方解んないよ‼」
「とにかく剥がす‼」
近づいてきていた日向も手伝い、何とか単衣に一枚をぐるぐるまきにして、祐也が肩に担ぐ。
「わぁぁ‼お腹が、痛い~‼揺れる~‼」
「黙って‼一時的に、機能麻痺させてるから‼」
ウェインは一番前を走る祐也のすぐ後ろで、周囲を見回しつつ追いかける。
そしてガラハッドは、シャベルを操り、剣のアルテミスに向かい合っていた。
「なぁ、アルテミスさんよ。あんたは何がしたいんだ?」
問いかけるガラハッドに、アルテミスは、
「面白いことだ」
「何が面白いんだ?わしにはあんたがやっている『面白いこと』が良くわからん。あんたは良く笑うが、目は冷たくて、嘘だとわかる。逆にイライラしていたりむしゃくしゃしているときのあんたはコロコロと表情が変わる。何が歯がゆいんだ?何に苛立っとんだ?何が嫌なんだ?」
「五月蠅い‼なにもわからんお前が、恩を売るのか?あぁ?」
「恩は売らんが口と手は出す‼わしは、納得できんことは、納得できるまでとことん聞くんだよ。答えてくれ。あんたは、自分に苛立っているんだろう⁉」
「五月蠅い‼黙れ‼」
ガラハッドは、アルテミスの剣を、受けると押し返す。
「だまっとったら、あんたはますます訳のわからない『奇行』に走る、いいや、逃げとるんだよ。あんたは逃げとる。うちのモルドレッドと同じく‼思春期の反抗期の子供じゃあるまいし、孫もいるじじいが、何をやっとんだ‼」
ブン‼
と振ると、アルテミスが吹っ飛び、剣が転がった。
飛び付こうとしたアルテミスよりも身の軽い紅が、剣を蹴り飛ばすと、愛用の弓を構える。
『あたしは、何がなんだかわかんないけど、ゆうにいちゃんとあきちゃんが選んだ道を応援する。その祝福と、穢れを浄める為に……』
弓の弓弦を楽器のように、少し引き、弾く。
ポン、ポン、ポン、ポン……。
跳ねるような音に、周囲のざわめきに乱れたような何かが整えられていく。
『妖精は、まだ妖精の城にいるってモルガーナさんは言ってた。だったら妖精の国にかえって。季節が巡ったら、この世界に遊びに来て……』
ガラハッドには、異国の少女が神聖な何かに見えたのだった……。
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