現世(うつしよ)と幻(うつつ)の世界で……
第27話、変化していく集落、変化していく関係
祐也の退学事件と、現在はほぼ仕事のないMEGの起こした事件の結末は、芸能界にも大学にも重い課題を突きつける結果となった。
国会でも放送議論されるに至り、最後の周囲は消された状態ではあるが、MEGの実家に上がり込んだ、後でわかったのだがMEGの実父のイングランド貴族と、甥になると言うモルドレッドの侵入事件は、世界中でもネット動画配信され、大騒ぎになった。
モルドレッドの両親と、兄のガウェインもパパラッチに追い回されるよりはと、会見を開き、何度も何度も、
『申し訳ございません』
『私どもの不徳の至りです』
と謝罪し、ガウェインが、
『私も、芸能界から去り……』
と言う話になると、周囲は騒然とした。
そこに、ガウェインのスマホが鳴った。
『ちょっと失礼……おぉ、アキトの友人の祐也?うん……うん……いいのかい?うん、解った』
スマホから耳を離し、
『僕の日本の友人の、ユウヤ・アベからの電話です。聞いてください』
スマホにマイクを近づけるとネイティブな英語で、
『初めまして。皆さん。私は、祐也・安部。ウェインの友人です。今回の件は、ウェインやウェインのご両親の責任でもなく、モルドレッドに、芸能界で生きると言う自覚も覚悟もなかったこと、同じく、モルドレッドの叔母の日本の芸能人のMEGにも同様だったと言うことです。MEGも、モルドレッドも両親や周囲の愛情を自覚せず理解せず、自分勝手に動き、家族や兄であるウェインを苦しませ、MEGの弟の私の親友も悲しんでいます。でも、悪いのは二人であって、その親であり、祖父でもあるアルテミス卿の気ままな行動です。親、夫と言う自覚もない存在に、振り回されるウェインのご両親や親友の家族に罪はありません。ですので、これ以上、ウェインやウェインのご両親を責めたり、振り回さないでください』
祐也の声に、取材陣は……。
『ですが、アーサー卿は……』
『迷惑しかかけない、ご両親も存命と伺っておりますが、遊び回りたいのなら、家族に迷惑をかけずに勝手にと思います。イングランドは紳士の国、そして、紳士には、プライドと責任がつくはずです。それも忘れているアルテミス卿は貴族の責任を放棄しているととっていいと思います。私は、イングランドに数ヵ月留学した経験があります。数ヵ月でしたが、同年代の青年たちにも責任と自覚はありました。それを放棄しているのなら、誇り高き紳士としての自覚はないと厳しく言うべきではないでしょうか?ご存命のご両親ではなく、良い年をした大人なのですから……辛い思いをするのは周囲です。仕事や領地の管理で忙しいウェイを追い回すよりも、暇で遊び回る、アルテミス卿に謝罪をいただけたらと思います』
19才の青年ながら、きっぱりと言い切った異国の青年、と、
『それに、アルテミス卿ですが、こちらで調べたところ、日本人女性と結婚の事実はありませんでした。私の親友がアルテミス卿の息子であることは確かですが、戸籍上、両親の婚姻はなく、親友は、認知もされていませんでした。MEGさんは、アルテミス卿の元恋人との間の子供ですが、育児放棄のため、親友のお母さんである日本人女性が引き取り、日本で育った女性です。女手ひとつで、育てた血の繋がりのない義理の娘に、受けた仕打ちに家族も悲しんでいます。特に、異母弟に当たる親友は体調を崩しています。お願いいたします。常識ある対応を。ウェインやウェインのご両親を苦しめないであげてください。よろしくお願いいたします』
『ユウヤ、ありがとう』
『構わないよ。これくらい。それよりも、穐斗が、ちょっと調子がおかしいんだ。こっちでも大病院に行って診て貰えって言われたんだけど、又今度詳しい結果を教えるから……』
『あぁ、よろしく。ユウヤ。ありがとう』
スマホは切れ、ウェインは、
『すみません。友人の祐也の親友であり、僕の叔父が今回の連続した問題で倒れてしまったそうです。すみません。叔父は繊細で大人しい子です。叔父たちは被害者で、あちらで弁護士をたてています。直接の取材はやめてください。一般の子です』
『よろしくお願いいたします。弟は、本当に可愛い良い子なんです。そっとしてあげてください』
ウェインの母、モルガーナが、頭を下げる。
取材陣が去り、屋敷にはいると、
『もう、何てことを……フユにも、アキトにも、伯父様たちにも迷惑をかけるなんて‼レッドだけじゃなくメグも、お父様も……』
泣き出すモルガーナ。
『ねえ。父さん。むこうの事が少し落ち着いたら、アキトたち招待しない?僕たちが行くと迷惑になるだろうし……』
『そうだな。それは良い』
海のむこうの日本では、穐斗はぐったりとし、救急車を呼ぶよりもと、車で町の病院に運ばれて行ったのだった。
国会でも放送議論されるに至り、最後の周囲は消された状態ではあるが、MEGの実家に上がり込んだ、後でわかったのだがMEGの実父のイングランド貴族と、甥になると言うモルドレッドの侵入事件は、世界中でもネット動画配信され、大騒ぎになった。
モルドレッドの両親と、兄のガウェインもパパラッチに追い回されるよりはと、会見を開き、何度も何度も、
『申し訳ございません』
『私どもの不徳の至りです』
と謝罪し、ガウェインが、
『私も、芸能界から去り……』
と言う話になると、周囲は騒然とした。
そこに、ガウェインのスマホが鳴った。
『ちょっと失礼……おぉ、アキトの友人の祐也?うん……うん……いいのかい?うん、解った』
スマホから耳を離し、
『僕の日本の友人の、ユウヤ・アベからの電話です。聞いてください』
スマホにマイクを近づけるとネイティブな英語で、
『初めまして。皆さん。私は、祐也・安部。ウェインの友人です。今回の件は、ウェインやウェインのご両親の責任でもなく、モルドレッドに、芸能界で生きると言う自覚も覚悟もなかったこと、同じく、モルドレッドの叔母の日本の芸能人のMEGにも同様だったと言うことです。MEGも、モルドレッドも両親や周囲の愛情を自覚せず理解せず、自分勝手に動き、家族や兄であるウェインを苦しませ、MEGの弟の私の親友も悲しんでいます。でも、悪いのは二人であって、その親であり、祖父でもあるアルテミス卿の気ままな行動です。親、夫と言う自覚もない存在に、振り回されるウェインのご両親や親友の家族に罪はありません。ですので、これ以上、ウェインやウェインのご両親を責めたり、振り回さないでください』
祐也の声に、取材陣は……。
『ですが、アーサー卿は……』
『迷惑しかかけない、ご両親も存命と伺っておりますが、遊び回りたいのなら、家族に迷惑をかけずに勝手にと思います。イングランドは紳士の国、そして、紳士には、プライドと責任がつくはずです。それも忘れているアルテミス卿は貴族の責任を放棄しているととっていいと思います。私は、イングランドに数ヵ月留学した経験があります。数ヵ月でしたが、同年代の青年たちにも責任と自覚はありました。それを放棄しているのなら、誇り高き紳士としての自覚はないと厳しく言うべきではないでしょうか?ご存命のご両親ではなく、良い年をした大人なのですから……辛い思いをするのは周囲です。仕事や領地の管理で忙しいウェイを追い回すよりも、暇で遊び回る、アルテミス卿に謝罪をいただけたらと思います』
19才の青年ながら、きっぱりと言い切った異国の青年、と、
『それに、アルテミス卿ですが、こちらで調べたところ、日本人女性と結婚の事実はありませんでした。私の親友がアルテミス卿の息子であることは確かですが、戸籍上、両親の婚姻はなく、親友は、認知もされていませんでした。MEGさんは、アルテミス卿の元恋人との間の子供ですが、育児放棄のため、親友のお母さんである日本人女性が引き取り、日本で育った女性です。女手ひとつで、育てた血の繋がりのない義理の娘に、受けた仕打ちに家族も悲しんでいます。特に、異母弟に当たる親友は体調を崩しています。お願いいたします。常識ある対応を。ウェインやウェインのご両親を苦しめないであげてください。よろしくお願いいたします』
『ユウヤ、ありがとう』
『構わないよ。これくらい。それよりも、穐斗が、ちょっと調子がおかしいんだ。こっちでも大病院に行って診て貰えって言われたんだけど、又今度詳しい結果を教えるから……』
『あぁ、よろしく。ユウヤ。ありがとう』
スマホは切れ、ウェインは、
『すみません。友人の祐也の親友であり、僕の叔父が今回の連続した問題で倒れてしまったそうです。すみません。叔父は繊細で大人しい子です。叔父たちは被害者で、あちらで弁護士をたてています。直接の取材はやめてください。一般の子です』
『よろしくお願いいたします。弟は、本当に可愛い良い子なんです。そっとしてあげてください』
ウェインの母、モルガーナが、頭を下げる。
取材陣が去り、屋敷にはいると、
『もう、何てことを……フユにも、アキトにも、伯父様たちにも迷惑をかけるなんて‼レッドだけじゃなくメグも、お父様も……』
泣き出すモルガーナ。
『ねえ。父さん。むこうの事が少し落ち着いたら、アキトたち招待しない?僕たちが行くと迷惑になるだろうし……』
『そうだな。それは良い』
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