現世(うつしよ)と幻(うつつ)の世界で……
第15話、関係の変化、心の変化、体の変化……の始まりに向かう現実世界の終わり。
部屋に取り付けられている図書館の内通電話で、醍醐が図書館と、正面玄関、裏玄関などの警備員室にも連絡を取り、今回のことは、MEGの単独行動で、自分達のサークルには関係がないこと、特に、MEGの弟の穐斗は全く知らなかったことなどを伝えた。
特に驚いていた図書館長には、
「本当にご迷惑をお掛けしてすみませんでした。ですが、穐斗君は本当に全く知らず、来て逆に怯えていて……怪我をしているので痛がっていて、今は、外が静かになるまで休ませているのですが、大丈夫でしょうか?」
「そんなに怯えているのかい?」
気の良い館長の優しい声に、醍醐は、
「ご存じの通り、穐斗君はおっとりとしていて、大人しい子です。逆にお姉さんはあの性格で穐斗君によると、よく泣かされていたとか。それに、こういうところで言うのもなんですが……」
低い声で、告げる。
「穐斗君のご両親が、特にお父さんの問題で、穐斗君は姿を隠していたとか。こちらも詳しく聞くのもと遠慮していたのですが、穐斗君によるとお父さんの度重なる浮気でお母さんは離婚したがっていて、それを認めてくれないとか……」
「個人の問題とはいえ、大変だね……」
「えぇ、穐斗君は向こうの家族も大切ですが、こちらで生活したいと。それで、時々お父さんと交流をしているお姉さんを避けていて、大学も、落ち着いていて、この図書館の蔵書数と、校風があっていると選んだそうです。館長先生……」
「解った。こちらから上を通じてテレビ局にも伝えておこう。それに、学校の上の方から、清水穐斗君のことをあまり騒がないようにと」
「本当に申し訳ありません。よろしくお願いいたします」
「いやいや、それはいいよ。こちらの方が手落ちがあったのだからね。逆に連絡をありがとう。それと、いつもお菓子のおすそわけをありがとう」
醍醐は、時々沢山作って、図書館の職員たちに配ったり、実家のお菓子を持ってきたりしている。餌付けはこちらでも成功しているらしい。
「いえ、趣味で、お恥ずかしいです。では、本当に、よろしくお願いいたします」
電話を切ると、
「図書館内と、警備員室は連絡したよ~。でも、上に話が行くのは……どうかなぁ……」
はんなりのんびりしている醍醐だが、表情は厳しい。
「館長は穏和だが、学長はあれ、だからな」
渋い顔の日向に、うとうとし始めた穐斗をあやす祐也が声を掛ける。
「学長ご存じなんですか?」
「あぁ、作家の『日向糺』のことを知って、大々的に公表しようとしたんでな。出版社に手を回し、『日向糺』を公表するなって。それ以来、ねちねちと……」
「し返しはするんですが、アホなのか姑息な手をよく使うんですよ……って、来やがったようですね」
扉がギシギシと開かれ、姿を見せたのは、ハゲを必死に隠そうと、横髪を上に流している通称バーコードと呼ばれるテラテラとした脂ぎった小太り親父である。
「何があったんだね‼せっかくわが校のアピールも出来たのに‼しかも、あのモデルのMEGさんもいらして、全国放送だったんだよ‼」
「放送もなにも、関係ないでしょ‼」
祐也は食って掛かる。
「穐斗は……清水は、自分の身分を隠して一般の生徒として過ごしたいって、言ってるんです‼いくらお姉さんが芸能人でも、突然あんな蹴りと共に、挨拶も、前もっての言葉もなくあんまりじゃないですか‼」
「君は……」
「安部祐也です‼同級生です」
「一般の学生が口を挟むものじゃない‼」
「穐斗の友人です‼口挟みますよ‼穐斗はお姉さんは芸能人ですが本人は一般人です‼お父さんが貴族か何かでしょうが、穐斗は普通の少年です‼その一般の普通の少年に、学長は何をさせたいんですか‼」
一喝すると、
「帰ってくださいませんか?さっきから、本当に迷惑です‼帰れ‼」
その声に逃げるように立ち去る。
「本気であれが学長ですか……」
嫌悪感むき出しで祐也は問いかける。
「そうですよ~。あれが、学長です。鬱陶しいでしょう?」
「懲りずに良くやるものだ」
「本気で鬱陶しいです‼図書館長も気さくで優しいから、そんな感じに思ってました」
「でも、あの学長……何かしでかしそうなんですよね。ちゃんとスマホで録って、おきましたが……」
醍醐は呟く。
「早めに、広めときましょうかね」
その日、ぐずぐずとぐずる穐斗をよしよしと宥めつつ、一晩を過ごした祐也は、同級生の電話で飛び起きた。
「おい、祐也‼お前、なにやったんだ‼」
「何って、穐斗の姉のことで……」
「お前、退学って書いてるぞ‼素行が悪い、態度が悪いって‼」
「はぁ⁉」
いつになくぐずりつづける穐斗を毛布にくるんだまま、学校に行くと、掲示板には自分の名前と『退学』の文字。
「はぁ?昨日学長に食って掛かっただけなのに?」
「お前怪我させたって……ほんとか?」
「するかよ‼学長とも離れてた‼」
「はーいはいはい。みなさーん。昨日の一部始終です~。家のサークルで起きたことです」
醍醐と日向が現れ、日向が操作したパソコン画面に、学長と離れた場所で言い争いをしている祐也の姿。
「MEGさんが来てわが校のアピールができたのに‼」
といい放つ学長に、祐也は、
「穐斗は一般人です‼」
と食って掛かっている。
ざわめいていた周囲はシーンとし、
「おい、これだけ?」
「そうだよ‼それ以上何するんだ?図書館に迷惑をかけたりもない‼昨日、松尾先輩から、図書館の職員の方と館長先生に簡単な謝罪をしてもらったので、後で挨拶にって思ってた位で……何でこうなったのか解んない‼俺、学長殴ってたか?」
「いや。全然」
数人の祐也の知人が首を振る。
「それなのに、退学……って、なんだよ?」
「おかしくねぇ?つかみかかったりとか、もの壊すならともかく、祐也は、正論をのべているのに……」
「それに、MEGってあぁ言うタイプだったのか?弟の穐斗って可哀想に……」
昨日は芸能人の弟と言うことで大騒ぎされていた穐斗を、不憫な目で見る周囲。
と、醍醐は腕に抱えていた物を差し出す。
「そうなんですよ~。と言うことで、申し訳ありませんが、このやりとりを見て、納得が行かない方、署名をお願いします。これはこのままにしておきません。昨日のテレビ局に流しておきましたし、昨日のテレビの影響で、彼が退学処分を受けたことも、先程、私たちの懇意の弁護士に相談しています~」
「学長を殴っていないのに殴ったと言われているこの安部くんも、突然あんな目に遭った清水くんも被害者です。何でしたら、サイトをお伝えしますので、お友だちや家族の方にもお伝え願えませんか?このまま安部くんが退学と言うのは私たちも不本意と言うよりも、側にいたのにと、先輩として悔しいです」
日向はサイトのメモを渡していき、醍醐と共にペンと紙を手渡していく。
紙は、数名ぶんの署名が書かれるようになっていて、
「持って帰ってくださって結構です。二年のこの私と松尾、図書館の職員の方に話を通してますので、渡していただけませんか?その時に、MEGさんが破壊した扉も見られます。穐斗君が怯えていました」
「そうなんですよぉ……修理も、向こうとのやり取りでそのままですので~見ていってください」
繰返し映像は流され、祐也は眠ってしまったらしい穐斗を抱いて、
「すみません。この通りです。他にてを出したりはありません」
「なのに、退学はおかしくないでしょうか?よろしくお願いいたします」
「家のサークル自体が被害者です。お願いいたします~」
3人は頭を下げ続けた。
そして、その様子を含めた一騒動は、MEGが突撃取材したテレビにも、他のテレビ局や新聞、雑誌にも情報が流された。
一応未成年で被害者と言うことで、祐也と穐斗たち部員の顔の映像は消されているが、MEGが扉を蹴破り乱入し、怯えている少年を抱き寄せ、
「なに考えてるんだ‼一般人のいるサークルに‼」
と言う正論をのべている友人の青年と、そのあとに姿を見せた『学長』が、
「テレビでアピールできたのに‼」
と食って掛かり、逆に、
「アピールよりも、彼は一般人として学校に通っているんです‼お姉さんが芸能人だからって、一般人の学生の彼に何をさせたいんですか!」
と青年は離れた場所で反論していた。
翌日、青年は、『素行不良』で退学。
周囲では、
「彼が、学長を殴ったって……」
「えぇぇ~‼そんな人だっけ?彼って」
「うそぉ~そんな人いたら困るぅ。怖いもん」
と言う張り出された直後の女子学生の声と、その横で、
「えぇ?アイツ、正義感は強くて、しっかりしてて、優しいやつだよな?」
「そうそう。人懐っこいし、あのMEGの弟の……(ピー音で名前を消されている)が人見知りで、ビクビクしてたのに声をかけて、仲良くなってた」
「……(ピー音)も、元々おっとりしてて、悪い奴ではなくて、優しいやつだしさぁ……俺、MEGのこと結構好きだったけど、あれじゃぁ引くわ」
「そうだよな。初っぱなから、学校の図書館に突然入り込んで、職員の人が止めようとしてるのを振り払って、扉蹴破るってありかよ」
「それにさぁ、そのあとの学長の、あれ、もっとねぇよなぁ……」
と言う、MEGの弟と、その友人を援護する男子生徒の声が次々とテレビで流された。
そして、醍醐の実家と懇意の有名な弁護士と、日向の信用に足る弁護士をお願いして、と言うことになった。
……そのあまりに理不尽さと、MEGの勝手な行動から起きた一連の事件に、周囲は怒り、テレビ局には電話が殺到、メールも爆発したため、MEGと番組スタッフ、テレビ会社の社長が謝罪会見を行ったのだった。
そして、
「な、んでわしが‼」
ごねる学長に冷たく、
「学長が、罪もない前途ある学生に、罪を押し付けたのでしょう?まずは謝罪ですよ」
と秘書は告げたのだった。
特に驚いていた図書館長には、
「本当にご迷惑をお掛けしてすみませんでした。ですが、穐斗君は本当に全く知らず、来て逆に怯えていて……怪我をしているので痛がっていて、今は、外が静かになるまで休ませているのですが、大丈夫でしょうか?」
「そんなに怯えているのかい?」
気の良い館長の優しい声に、醍醐は、
「ご存じの通り、穐斗君はおっとりとしていて、大人しい子です。逆にお姉さんはあの性格で穐斗君によると、よく泣かされていたとか。それに、こういうところで言うのもなんですが……」
低い声で、告げる。
「穐斗君のご両親が、特にお父さんの問題で、穐斗君は姿を隠していたとか。こちらも詳しく聞くのもと遠慮していたのですが、穐斗君によるとお父さんの度重なる浮気でお母さんは離婚したがっていて、それを認めてくれないとか……」
「個人の問題とはいえ、大変だね……」
「えぇ、穐斗君は向こうの家族も大切ですが、こちらで生活したいと。それで、時々お父さんと交流をしているお姉さんを避けていて、大学も、落ち着いていて、この図書館の蔵書数と、校風があっていると選んだそうです。館長先生……」
「解った。こちらから上を通じてテレビ局にも伝えておこう。それに、学校の上の方から、清水穐斗君のことをあまり騒がないようにと」
「本当に申し訳ありません。よろしくお願いいたします」
「いやいや、それはいいよ。こちらの方が手落ちがあったのだからね。逆に連絡をありがとう。それと、いつもお菓子のおすそわけをありがとう」
醍醐は、時々沢山作って、図書館の職員たちに配ったり、実家のお菓子を持ってきたりしている。餌付けはこちらでも成功しているらしい。
「いえ、趣味で、お恥ずかしいです。では、本当に、よろしくお願いいたします」
電話を切ると、
「図書館内と、警備員室は連絡したよ~。でも、上に話が行くのは……どうかなぁ……」
はんなりのんびりしている醍醐だが、表情は厳しい。
「館長は穏和だが、学長はあれ、だからな」
渋い顔の日向に、うとうとし始めた穐斗をあやす祐也が声を掛ける。
「学長ご存じなんですか?」
「あぁ、作家の『日向糺』のことを知って、大々的に公表しようとしたんでな。出版社に手を回し、『日向糺』を公表するなって。それ以来、ねちねちと……」
「し返しはするんですが、アホなのか姑息な手をよく使うんですよ……って、来やがったようですね」
扉がギシギシと開かれ、姿を見せたのは、ハゲを必死に隠そうと、横髪を上に流している通称バーコードと呼ばれるテラテラとした脂ぎった小太り親父である。
「何があったんだね‼せっかくわが校のアピールも出来たのに‼しかも、あのモデルのMEGさんもいらして、全国放送だったんだよ‼」
「放送もなにも、関係ないでしょ‼」
祐也は食って掛かる。
「穐斗は……清水は、自分の身分を隠して一般の生徒として過ごしたいって、言ってるんです‼いくらお姉さんが芸能人でも、突然あんな蹴りと共に、挨拶も、前もっての言葉もなくあんまりじゃないですか‼」
「君は……」
「安部祐也です‼同級生です」
「一般の学生が口を挟むものじゃない‼」
「穐斗の友人です‼口挟みますよ‼穐斗はお姉さんは芸能人ですが本人は一般人です‼お父さんが貴族か何かでしょうが、穐斗は普通の少年です‼その一般の普通の少年に、学長は何をさせたいんですか‼」
一喝すると、
「帰ってくださいませんか?さっきから、本当に迷惑です‼帰れ‼」
その声に逃げるように立ち去る。
「本気であれが学長ですか……」
嫌悪感むき出しで祐也は問いかける。
「そうですよ~。あれが、学長です。鬱陶しいでしょう?」
「懲りずに良くやるものだ」
「本気で鬱陶しいです‼図書館長も気さくで優しいから、そんな感じに思ってました」
「でも、あの学長……何かしでかしそうなんですよね。ちゃんとスマホで録って、おきましたが……」
醍醐は呟く。
「早めに、広めときましょうかね」
その日、ぐずぐずとぐずる穐斗をよしよしと宥めつつ、一晩を過ごした祐也は、同級生の電話で飛び起きた。
「おい、祐也‼お前、なにやったんだ‼」
「何って、穐斗の姉のことで……」
「お前、退学って書いてるぞ‼素行が悪い、態度が悪いって‼」
「はぁ⁉」
いつになくぐずりつづける穐斗を毛布にくるんだまま、学校に行くと、掲示板には自分の名前と『退学』の文字。
「はぁ?昨日学長に食って掛かっただけなのに?」
「お前怪我させたって……ほんとか?」
「するかよ‼学長とも離れてた‼」
「はーいはいはい。みなさーん。昨日の一部始終です~。家のサークルで起きたことです」
醍醐と日向が現れ、日向が操作したパソコン画面に、学長と離れた場所で言い争いをしている祐也の姿。
「MEGさんが来てわが校のアピールができたのに‼」
といい放つ学長に、祐也は、
「穐斗は一般人です‼」
と食って掛かっている。
ざわめいていた周囲はシーンとし、
「おい、これだけ?」
「そうだよ‼それ以上何するんだ?図書館に迷惑をかけたりもない‼昨日、松尾先輩から、図書館の職員の方と館長先生に簡単な謝罪をしてもらったので、後で挨拶にって思ってた位で……何でこうなったのか解んない‼俺、学長殴ってたか?」
「いや。全然」
数人の祐也の知人が首を振る。
「それなのに、退学……って、なんだよ?」
「おかしくねぇ?つかみかかったりとか、もの壊すならともかく、祐也は、正論をのべているのに……」
「それに、MEGってあぁ言うタイプだったのか?弟の穐斗って可哀想に……」
昨日は芸能人の弟と言うことで大騒ぎされていた穐斗を、不憫な目で見る周囲。
と、醍醐は腕に抱えていた物を差し出す。
「そうなんですよ~。と言うことで、申し訳ありませんが、このやりとりを見て、納得が行かない方、署名をお願いします。これはこのままにしておきません。昨日のテレビ局に流しておきましたし、昨日のテレビの影響で、彼が退学処分を受けたことも、先程、私たちの懇意の弁護士に相談しています~」
「学長を殴っていないのに殴ったと言われているこの安部くんも、突然あんな目に遭った清水くんも被害者です。何でしたら、サイトをお伝えしますので、お友だちや家族の方にもお伝え願えませんか?このまま安部くんが退学と言うのは私たちも不本意と言うよりも、側にいたのにと、先輩として悔しいです」
日向はサイトのメモを渡していき、醍醐と共にペンと紙を手渡していく。
紙は、数名ぶんの署名が書かれるようになっていて、
「持って帰ってくださって結構です。二年のこの私と松尾、図書館の職員の方に話を通してますので、渡していただけませんか?その時に、MEGさんが破壊した扉も見られます。穐斗君が怯えていました」
「そうなんですよぉ……修理も、向こうとのやり取りでそのままですので~見ていってください」
繰返し映像は流され、祐也は眠ってしまったらしい穐斗を抱いて、
「すみません。この通りです。他にてを出したりはありません」
「なのに、退学はおかしくないでしょうか?よろしくお願いいたします」
「家のサークル自体が被害者です。お願いいたします~」
3人は頭を下げ続けた。
そして、その様子を含めた一騒動は、MEGが突撃取材したテレビにも、他のテレビ局や新聞、雑誌にも情報が流された。
一応未成年で被害者と言うことで、祐也と穐斗たち部員の顔の映像は消されているが、MEGが扉を蹴破り乱入し、怯えている少年を抱き寄せ、
「なに考えてるんだ‼一般人のいるサークルに‼」
と言う正論をのべている友人の青年と、そのあとに姿を見せた『学長』が、
「テレビでアピールできたのに‼」
と食って掛かり、逆に、
「アピールよりも、彼は一般人として学校に通っているんです‼お姉さんが芸能人だからって、一般人の学生の彼に何をさせたいんですか!」
と青年は離れた場所で反論していた。
翌日、青年は、『素行不良』で退学。
周囲では、
「彼が、学長を殴ったって……」
「えぇぇ~‼そんな人だっけ?彼って」
「うそぉ~そんな人いたら困るぅ。怖いもん」
と言う張り出された直後の女子学生の声と、その横で、
「えぇ?アイツ、正義感は強くて、しっかりしてて、優しいやつだよな?」
「そうそう。人懐っこいし、あのMEGの弟の……(ピー音で名前を消されている)が人見知りで、ビクビクしてたのに声をかけて、仲良くなってた」
「……(ピー音)も、元々おっとりしてて、悪い奴ではなくて、優しいやつだしさぁ……俺、MEGのこと結構好きだったけど、あれじゃぁ引くわ」
「そうだよな。初っぱなから、学校の図書館に突然入り込んで、職員の人が止めようとしてるのを振り払って、扉蹴破るってありかよ」
「それにさぁ、そのあとの学長の、あれ、もっとねぇよなぁ……」
と言う、MEGの弟と、その友人を援護する男子生徒の声が次々とテレビで流された。
そして、醍醐の実家と懇意の有名な弁護士と、日向の信用に足る弁護士をお願いして、と言うことになった。
……そのあまりに理不尽さと、MEGの勝手な行動から起きた一連の事件に、周囲は怒り、テレビ局には電話が殺到、メールも爆発したため、MEGと番組スタッフ、テレビ会社の社長が謝罪会見を行ったのだった。
そして、
「な、んでわしが‼」
ごねる学長に冷たく、
「学長が、罪もない前途ある学生に、罪を押し付けたのでしょう?まずは謝罪ですよ」
と秘書は告げたのだった。
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