住み込み就職 お仕事時々お遊び

わいず

バレンタイン前日のコンビニ風景

「うふふふぅ、明日が楽しみですねぇ」
「おぉい、顔がにやけてるぞ胡桃。もっとシャンッ! としろ」
「うへへへぇ。すみませぇん長門さぁん」
「うっ……何時もの胡桃じゃない! 気色悪!」 

朝のトレーニングも終わって、朝食も食べて少したった頃合い。
今まさに開店時間! 私は色々と作業しながらニヤニヤします。

いやぁ、だってですよぉ?明日はあの日ですからぁ。
ぐふふふふ……。

「……胡桃。チョコみる度笑ってる、変な娘だぜ」
「まぁ、そう言うな止。本人は自覚してないんだ」

なんだか2人が何か言ってますが、関係ないですねぇ……最近、ちょぉぉっと試食で食べ過ぎましたけど、今朝運動しましたから問題ないですよね?

「ふふふぅ……ふふふふぅ」

お仕事終わったら沢山甘いもの買いましょう、そしてっ! 食べまくるんです!

「なんか今日の胡桃、怖い」
「全く、その通りだ」

むっ、今のハッキリ聞こえましたよ? 失礼ですねぇ……私は怖くなんて無いですよ!

「二人とも! 私が怖いってどういう事ですか!」
「ニヤニヤしてる所だぜ」
「止さん!それは仕方ないじゃないですか! だって明日はバレンタインなんですよ!」

ニヤニヤするのがあまり前です!

「えぇぇ、あんなに甘い物食べてたのに、まだ食べるつもりなのか? 変なの」
「だぁかぁらぁ、変じゃないです!」

もぅ、止さんは失礼な人です。

「……あ」

と、ここでレジにお客さんがいる事に気付いて小走りしていきます。

「お待たせしました」
「あ、はい」

ふむ、男のお客……ですね。
あらら? 妙にモジモジしてますね、何故でしょう……って、これは!

「チョコレート!!!」
「ひゃわっ!」
「あ、すっすみません……」
「あ、いえ」

大好きな物を目の前にして叫んじゃいました……ごめんなさい。
って、あらまぁ……このチョコ、バレンタインデー用のチョコの1つ、ですね。

それをこの男性客が買う、ほほぉ……これはもしかして、あれですかねぇ、ふふふふぅ。

まぁ、相手はお客様。
深くは聞きませんよ、深くはね……。
取り敢えず、お会計しましょう。

「……ありがとうございました!」

という訳でピピッと会計を終わらせると、そのお客様はそそくさと去っていきました。
逆チョコ……良いものですねぇ、私が男の人からチョコを貰ったら……ふふふふふ、ちょっとだけ好きになっちゃうかもです。

「胡桃」
「……うひゃっ! なっななっ七瀬さん!?」

びっビックリしましたぁ……急に真後ろに立たないで下さいよぉ。

「えっえと、なんですか?」
「甘い物で一番好きな物はなにかしら?」

え、それ……勤務時間中に聞いちゃいます? まぁ答えますけど。

「それは勿論っ! お砂糖です! 砂糖=当分ですからね!」

むんっ! と胸を張って言いのけると、お菓子の商品棚の方から「無い胸張ってるな」「ぷふふ、変なのぉ」と言う声が聞こえたので睨み付けました。そしたら直ぐに黙って仕事をし始める2人、全く……私を怒らせて何がしたいんでしょうね。
って、あれぇ? 七瀬……困り顔ですねぇ、なんででしょう。

「えと、胡桃?」
「はい」
「お菓子の名前で言って欲しいのだけど……」

……。
あぁ、それもそうですね。
でも、困りましたね……私、甘い物ならなんでも好きですよ? 和菓子、洋菓子、種類は問いません! でもぉ……強いて言うならぁ……。

「水飴! あれが最強です!」
「…………そう」

あっあれ? 自信たっぷりに言ったのに、七瀬さんの反応が微妙、なんで?

「分かったわ、突然ごめんね」
「え、あ、はい……」

なんだかよく分かりませんね……。
そう思ってる内に七瀬さん行っちゃいました。

「なんだったんでしょうね……」

全く分かりません。
まぁ、取り敢えず……仕事しますか。

そう考え、バレンタイン前日の時間は過ぎていく。
明日はバレンタイン! 仕事が終われば甘い物を買って甘味パーティです!! よぉぉしっ、やりますよぉぉぉっ。

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