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わいず

聖戦前日、男子静かに臨戦す

 ざわざわざわっ……。
今日も寒い朝、がっこにやって来たあたしは席について速攻机にぺたぁっと寝そべった。

「うぇぇぇ、胃もたれだぁ。まぢ辛いぃぃ」

悶え苦しむあたし、もうなんと言うか辛い、胃がムカムカする。
正直言うと、今日がっこに来たくなかった、でも…胃もたれでがっこ休むとかふざけてるから来たけどね…。

あぁ、そう言えば止もあたしみたいな感じになってたなぁ、朝食の時に「胃もたれキツいから休ませてくれ」って言ってた。
そしたら、てんちょに「ダメだ」って言われてたなぁ、そりゃダメだよねぇ…。

で、あたしと同じくらい食べてた筈の七瀬はなんとも無かった。
朝食の時は、平然と何時もみたいに「恵。今日も可愛いわよ」って言って来た。
あいつは胃もたれなんて言葉知らないの? そう言えばてんちょも大丈夫そうにしてた。
本当に食べてたのか怪しくなるくらいにね…。

最後に胡桃さんなんだけど…悲壮感に満ちた顔で朝食食べてた。
小声で「太りましたぁ、太りましたぁ」って呟いてたわ、そりゃぁ…あれだけ食べれば太りもするよ。

と言うか、太るだけで済んだのが可笑しいわよ、胡桃さん…あたしと止の数倍は食べてたのに…。

さすが甘い物好きなだけはある、でも…今は後悔してるみたい。
「つい食べ過ぎました、ダイエットしないとダメです」って言ってたもの。

……ここで疑問に思ったんだけど、胡桃…そこまで太ったように見えないのよね、ダイエット必要なのかなぁ? まぁ、本人がしたいんならすれば良いんだけどね。

……と、色々な事を思い浮かべてるあたし。
はぁぁぁぁっ、暫く甘い物は見たくない、友達にそう言う関係の所誘われたら、それとなく断ろう。

そして今日は静かに過ごそう、そうしよう。
そう決めて、すぅ…と息を吸い目を閉じた、取り合えずHR始まるまで寝てよ。

「けぇい、おっはよぉ」
「おはぁ」

うげ、煩いのが来た。

「あれぇ? 恵ってばおねむ?」
「ちゃんと眠らなかったのぉ?」

あぁ、今日も友達二人は煩い、少しイラつきながら顔だけ起こして。

「今日は気分悪いの…静かにして」

ぶっきらぼうにいってやる。
そしたら二人は急にニヤついた、なんでニヤつくし…意味わかんない。

「おやおや、もしや…彼女さんと喧嘩ですかぁ?」
「喧嘩するほど何とやらぁ…て奴だねぇ。うらやましぃ」

なんてゲスな顔なんだろう…そんな事は全く持ってない、と言うか彼女って誰よ、と言うか、あたし女だしそんな趣味ないから!

「そんなんじゃないし」
「えぇ、うっそだぁ」
「ウソつきはドロボーのはじまりぃ」

あぁ、うっざいなぁ…これで胃もたれ悪化したらしばいてやる。

「ほんとだし」
「まぁ、そう言う事にしときますよ」
「今度ほんとの事教えてね」

ほんとの事今言ったし…。
うんざりしながら聞いてると、「ま、それは置いといてさ」と友達の一人が言い出す。

「今日、さわがしくない? 特に男子が」

え? あぁ……んー、言われてみればそうかも。
男子達がソワソワしてるね、何があったのか知んないけど…ちょっと気になる。

「何かお祭りが近いとか?」

お祭り…そんなのあったっけ? なかった気がするけど…あたしが知らないだけであったりすんのかな?

「良くわからないけどぉ、賑やかなのは良い事だよぉ」

うん、その通りなんだけど…気になる。
そんな事を思ってると、せんせーが入ってきた、そしたら友達二人が「じゃ、昼休みにぃ」と言って自分の席にもどってった。

あたしはそれを手を振って見送る。
まぁなんにせよ、今日は静かに過ごそう、男子達が何で騒いでるのかなんて今は考えるのはヤメ、今日は低燃費モードでがっこ生活を送ろう。

そんな事を考えて、あたしの今日のがっこ生活が始まった…。

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