住み込み就職 お仕事時々お遊び
荷物と糖分補給の薦め 5
緊張感が走る店内、ざわつくお客さん達、流れる空気がひんやりとしています。
「好きな人は」
ごくりっ。
さぁ、いるんですか? いないんですか? もし「いない」って言ったら「えぇ!? 嘘ですよねぇ?」と嫌らしく聞いてやりますけどね、ふふふふふ。
「いるわ」
「っ! いっいるんですか!」
七瀬さんは真っ赤な顔をしてそう言いました、若干視線が俯いてます。
ふふっふふふふ!照れてますねぇ、いやぁ良い顔を見れました、さて追求しましょうか、ふふふふ。
しかし、素直に言うとは思いませんでした……七瀬さんはハッキリした方ですねぇ。
「それ、だれなんですか?」
あっ今気づきましたけど、聞いた所で知らない人の名前が出てくるのは確実ですよね? まぁ良いでしょう、個人的に聞きたかった事ですし、細かい事を考えるのは止めましょう。
「それは」
モジモジする七瀬さん、チラチラ私を見つめ口をモゴモゴさせています、そんな顔を見たら私はにやにやが止まらなくなっちゃうじゃないですか。
と、そんな風に思っていると七瀬さんは私を指差した。
「胡桃が好き、いいえお店で働いてる人全員が好き」
「…………へ?」
眼鏡をくいっと上げながら恥ずかしげに答える七瀬さん、えっえとその好きと言うのは所謂……あれですよね?
「それって、友達として好きって意味ですよね?」
「いえ、ちが」
「そうじゃなくて、私が聞きたいのは本当に好きな人なんですよ!」
トンっーー
軽くテーブルを叩き七瀬さんに言い寄る、誤魔化そうだなんそうは行きませんよ? 恥ずかしい思いをされた分、七瀬さんにも恥ずかしい思いをしてもらいます! その序でに好きな人を聞かせて貰います!
「あの、胡桃? 私……嘘は言ってないのだけど?」
「ふふふ、分かってますよ、照れ隠しですよね?」
「いえ、だから」
「ふふっ、照れてないでこっそり私にだけ教えて下さいよ、絶対に言いませんから」
私、口は固い方ですからそう言う大切な事には他人には話しません!
「……」
あっ、黙っちゃいましたね……しかも睨んで来てます、でも顔は紅いままです。
「嘘は言ってない、私の好きな人はお店の人全員……分かった?」
「あっ、はい……わかりました」
はっ迫力が凄いです、有無を言わせず納得してしちゃいました。
「分かれば良い」
ふぅ……。
一息ついた七瀬さんは眼鏡をくいっとあげつつ椅子に深く座ります、私の方も一息ついて深く座る、場所が場所ですからね、言いたくなかったんでしょう。
また人の少ない時に聞いちゃいましょう、今は取り合えず引くべきです。
「えっえと……その、お店の人の事聞かせて貰っても良いですか?」
今はそう言う事にしておいてぐいぐい聞いちゃいましょう。
「……」
って、うわ……もの凄く睨んできますね、完全に根に持たれてますよ……これ。
「あの七瀬さん?」
「……」
「しっ信じてますよ?」
「……」
「おっ怒ってます?」
「……」
「あっ角砂糖食べますか?」
「食べない」
うぅ、この視線がキツい、七瀬さん完全に怒ってますよ。
なっなんとかしないといけません、じゃないと楽しいお出掛けが台無しになってしまいます、そんなのは嫌です!
「あっあの! 私の態度に怒っているなら……その、なっ何でもします! だから許して下さい!」
ペコリっーー
深く頭を下げる、七瀬さんは驚いてる様子……ちらりと前を覗いてみるとピクっと眉が動きました。
「何でも?」
「はい、何でもです!」
「本当に?」
「はい、本当です!」
「そう」と呟いた七瀬さんは両肘をテーブルに置き手を組みます、そこに顎を置いて目を瞑る、考える仕草ですね、なっ何を言ってくるんでしょう? つい「何でもします」って言いましたけど簡単に言わない方が良かったかもしれません、無理難題を言われたらどうしよう。
「胡桃」
「ひゃひゃい!」
あっ、噛んじゃいました、七瀬さんは、じぃと私を真っ直ぐ見つめて来ます。
「隣に来て」
「はいっ…………へ?」
「聞こえなかったの?」
「きっ聞こえました」
拍子抜けしました、てっきり「ここで魂のこもった躍りを見せて」とか言われるのかと思いましたが……そんな事はありませんでしたね。
「何でもするんでしょ?」
「はっはい、しますけど、その……良いんですか?」
「構わない」
そう言って隣の椅子をズズズゥッと移動させる七瀬さん。
そしてその椅子を、ぽんぽんと叩く、早く座りに来てって事でしょうね。
座りましょうか、ちょっぴり恥ずかしいですがそれ位我慢しますよ。
と言う訳で席を移動しました、七瀬さんの隣に座ったらピッタリと肌を寄せて来ました、そんな事をされたら当然身体が熱を帯びる物です、なので一気に火照ってしまいました。
「胡桃、あったかい」
「え! ちょっ……七瀬さん!?」
おっおっおおぅ、これ腕を組まれるより恥ずかしいですよ? なっなんて事をやりやがるんですかっ、この先輩はぁぁ!
「ふふ、可愛いわ胡桃、大好き」
「だっ大好きだなんて簡単に言わないで下さいよっ、バカぁ!」
「怒った顔も素敵」
ぐっうぅ、イジワルっ! 七瀬さんのイジワル! って、わぁぁ!
「ちょっ! お腹触らないで下さい!」
いっいきなり触ってきましたよこの人ぉ! なんでですか? ちょっとスキンシップがハード過ぎませんか? こっこれが都会の人のスキンシップなんでしょうか?
「イヤ」
「いっイヤですか」
ハッキリ言われちゃいました、その後はむにんむにんと触られ続けられました、うぅ恥ずかしい、周りの視線も恥ずかしいぃ。
「ちょっぴり筋肉質ね」
「昔ヤンチャしてましたからね」
「そう」
まっまだ触ってくるんですか? と言うか筋肉質って言わないで下さいよ、結構気にしてるんですよ? 昔は身体を鍛え過ぎちゃって少し……いえ、かなり困ってるんですから。
「他の人とは違うさわり心地、胡桃のも良いわ」
他の人、あぁ長門さんの事ですかね? でもそれだけじゃない気がします……きっと私達以外の人とも比べてるんでしょう……って!
「ほっ他の人にもこんな事したんですか?」
「えぇしているわ、気になる?」
「ほっ他の人がどんな人なのかは気になります」
そう言った後私は七瀬さんを押し退けます、もう限界です! これ以上密着されてたら可笑しくなっちゃいます!
「ふぅん、そう」
ふぅ……。
息を吐いた七瀬さんは、つんっと私のオデコを優しく突っついてきました。
「じゃぁ話してあげる、止と恵の事を」
えっ偉く色っぽく言ってきました、普段は静かでイジワルでスキンシップがハードな人なのに、そう静かに語った七瀬さんは話し始めました。
「好きな人は」
ごくりっ。
さぁ、いるんですか? いないんですか? もし「いない」って言ったら「えぇ!? 嘘ですよねぇ?」と嫌らしく聞いてやりますけどね、ふふふふふ。
「いるわ」
「っ! いっいるんですか!」
七瀬さんは真っ赤な顔をしてそう言いました、若干視線が俯いてます。
ふふっふふふふ!照れてますねぇ、いやぁ良い顔を見れました、さて追求しましょうか、ふふふふ。
しかし、素直に言うとは思いませんでした……七瀬さんはハッキリした方ですねぇ。
「それ、だれなんですか?」
あっ今気づきましたけど、聞いた所で知らない人の名前が出てくるのは確実ですよね? まぁ良いでしょう、個人的に聞きたかった事ですし、細かい事を考えるのは止めましょう。
「それは」
モジモジする七瀬さん、チラチラ私を見つめ口をモゴモゴさせています、そんな顔を見たら私はにやにやが止まらなくなっちゃうじゃないですか。
と、そんな風に思っていると七瀬さんは私を指差した。
「胡桃が好き、いいえお店で働いてる人全員が好き」
「…………へ?」
眼鏡をくいっと上げながら恥ずかしげに答える七瀬さん、えっえとその好きと言うのは所謂……あれですよね?
「それって、友達として好きって意味ですよね?」
「いえ、ちが」
「そうじゃなくて、私が聞きたいのは本当に好きな人なんですよ!」
トンっーー
軽くテーブルを叩き七瀬さんに言い寄る、誤魔化そうだなんそうは行きませんよ? 恥ずかしい思いをされた分、七瀬さんにも恥ずかしい思いをしてもらいます! その序でに好きな人を聞かせて貰います!
「あの、胡桃? 私……嘘は言ってないのだけど?」
「ふふふ、分かってますよ、照れ隠しですよね?」
「いえ、だから」
「ふふっ、照れてないでこっそり私にだけ教えて下さいよ、絶対に言いませんから」
私、口は固い方ですからそう言う大切な事には他人には話しません!
「……」
あっ、黙っちゃいましたね……しかも睨んで来てます、でも顔は紅いままです。
「嘘は言ってない、私の好きな人はお店の人全員……分かった?」
「あっ、はい……わかりました」
はっ迫力が凄いです、有無を言わせず納得してしちゃいました。
「分かれば良い」
ふぅ……。
一息ついた七瀬さんは眼鏡をくいっとあげつつ椅子に深く座ります、私の方も一息ついて深く座る、場所が場所ですからね、言いたくなかったんでしょう。
また人の少ない時に聞いちゃいましょう、今は取り合えず引くべきです。
「えっえと……その、お店の人の事聞かせて貰っても良いですか?」
今はそう言う事にしておいてぐいぐい聞いちゃいましょう。
「……」
って、うわ……もの凄く睨んできますね、完全に根に持たれてますよ……これ。
「あの七瀬さん?」
「……」
「しっ信じてますよ?」
「……」
「おっ怒ってます?」
「……」
「あっ角砂糖食べますか?」
「食べない」
うぅ、この視線がキツい、七瀬さん完全に怒ってますよ。
なっなんとかしないといけません、じゃないと楽しいお出掛けが台無しになってしまいます、そんなのは嫌です!
「あっあの! 私の態度に怒っているなら……その、なっ何でもします! だから許して下さい!」
ペコリっーー
深く頭を下げる、七瀬さんは驚いてる様子……ちらりと前を覗いてみるとピクっと眉が動きました。
「何でも?」
「はい、何でもです!」
「本当に?」
「はい、本当です!」
「そう」と呟いた七瀬さんは両肘をテーブルに置き手を組みます、そこに顎を置いて目を瞑る、考える仕草ですね、なっ何を言ってくるんでしょう? つい「何でもします」って言いましたけど簡単に言わない方が良かったかもしれません、無理難題を言われたらどうしよう。
「胡桃」
「ひゃひゃい!」
あっ、噛んじゃいました、七瀬さんは、じぃと私を真っ直ぐ見つめて来ます。
「隣に来て」
「はいっ…………へ?」
「聞こえなかったの?」
「きっ聞こえました」
拍子抜けしました、てっきり「ここで魂のこもった躍りを見せて」とか言われるのかと思いましたが……そんな事はありませんでしたね。
「何でもするんでしょ?」
「はっはい、しますけど、その……良いんですか?」
「構わない」
そう言って隣の椅子をズズズゥッと移動させる七瀬さん。
そしてその椅子を、ぽんぽんと叩く、早く座りに来てって事でしょうね。
座りましょうか、ちょっぴり恥ずかしいですがそれ位我慢しますよ。
と言う訳で席を移動しました、七瀬さんの隣に座ったらピッタリと肌を寄せて来ました、そんな事をされたら当然身体が熱を帯びる物です、なので一気に火照ってしまいました。
「胡桃、あったかい」
「え! ちょっ……七瀬さん!?」
おっおっおおぅ、これ腕を組まれるより恥ずかしいですよ? なっなんて事をやりやがるんですかっ、この先輩はぁぁ!
「ふふ、可愛いわ胡桃、大好き」
「だっ大好きだなんて簡単に言わないで下さいよっ、バカぁ!」
「怒った顔も素敵」
ぐっうぅ、イジワルっ! 七瀬さんのイジワル! って、わぁぁ!
「ちょっ! お腹触らないで下さい!」
いっいきなり触ってきましたよこの人ぉ! なんでですか? ちょっとスキンシップがハード過ぎませんか? こっこれが都会の人のスキンシップなんでしょうか?
「イヤ」
「いっイヤですか」
ハッキリ言われちゃいました、その後はむにんむにんと触られ続けられました、うぅ恥ずかしい、周りの視線も恥ずかしいぃ。
「ちょっぴり筋肉質ね」
「昔ヤンチャしてましたからね」
「そう」
まっまだ触ってくるんですか? と言うか筋肉質って言わないで下さいよ、結構気にしてるんですよ? 昔は身体を鍛え過ぎちゃって少し……いえ、かなり困ってるんですから。
「他の人とは違うさわり心地、胡桃のも良いわ」
他の人、あぁ長門さんの事ですかね? でもそれだけじゃない気がします……きっと私達以外の人とも比べてるんでしょう……って!
「ほっ他の人にもこんな事したんですか?」
「えぇしているわ、気になる?」
「ほっ他の人がどんな人なのかは気になります」
そう言った後私は七瀬さんを押し退けます、もう限界です! これ以上密着されてたら可笑しくなっちゃいます!
「ふぅん、そう」
ふぅ……。
息を吐いた七瀬さんは、つんっと私のオデコを優しく突っついてきました。
「じゃぁ話してあげる、止と恵の事を」
えっ偉く色っぽく言ってきました、普段は静かでイジワルでスキンシップがハードな人なのに、そう静かに語った七瀬さんは話し始めました。
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