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わいず

荷物と糖分補給の薦め 4

砂糖を買い終わって足が向いたお店を見て回りました。
そしたらお腹が空いたので七瀬さんオススメのレストランに行きランチタイムをしています。

「おまたせしましたぁ、ミートスパゲティとシーザーサラダでお待ちのお客様ぁ」
「はい、私です」

外観も内装もお洒落なレストラン、緩やかな曲が流れる店内、静かに話ながら食事を楽しむお客さん達、昼時のレストランの光景がそこにはありました。
その中の街の景色が見える窓側の席に私と七瀬さんはいます。
で、今頼んでいた物が届きました、にこにこと笑顔を浮かべる茶髪ポニーテールの女性店員さんは七瀬さんの近くにミートスパゲティとシーザーサラダを置きます、ヘルシーメニューですね。

「続いてぇ、ふわとろオムレツと当店オススメBLTサンドイッチのお方ぁ」
「あっはい、それ私です」

と言っても、2人しかいないので残ったメニューは私なんですけどね、という訳で注文したメニューが目の前に置かれていきます。

「ご注文は以上でしょうかぁ?」
「あっ、はい! 以上です」
「ごゆっくりどうぞぉ」

ぺこりっーー
一礼して店員さんは下がっていきました、なんか語尾を伸ばすタイプの店員さんでしたね、あとでお店の先輩さんに言葉使いを注意されそうですね。

「食べよ」
「そうですね、食べましょう」
「「いただきます」」

そんな事は置いておいて食事をします。


食事が終わって「少し話そ」と七瀬さんが言ったので「わかりました」って私が言って雑談タイム実行中です。

「へぇ七瀬さんって物知りなんですね」
「そう、私は物知り何でも聞いて」
「え? 何でもですか?」

で、その間私は七瀬さんから知らなかった事を聞きました、でもきちんと理解できなかったんですよね……なんでしょう、タチとネコって? 七瀬さんが長時間熱弁してたんですけど……理解が出来ませんでした。

えと、タチってあれですか? モンスターをハントするゲームに出てくる太刀の事ですか? 七瀬さんも「タチはプレイの時攻めの事を指す、相手をリードし絶頂へと導くの」って言ってましたし……多分それですね。
絶頂と言うのは、きっと戦いに勝利して得る優越感の事ですよね? きっとそうに違いありません!

で、ネコと言うのはきっとあれですね。
凄く、いや神憑りに……いえいえ、神を軽くも超越する位可愛いあの生物ですよね? 七瀬さんも言ってました!
「ネコはタチとは逆で受けを指すの、でもただ受けてるだけじゃない、タチ側にも与えているの、絶頂をね」

つまりこう言う事です、ネコは普段はツンツンしてます、ですけど本当はとっても構ってちゃんで、たっぷり撫でて欲しいって事です、で撫でてあげると、トロンと蕩けた表情を見せてくれるんです! 撫でられる側も撫でる側どちらもほっこりする……なんて素晴らしいんでしょう。
この場合の絶頂と言うのはあれですね、触られる事の喜びの事に違いありません、絶対そうですよ!

でもちょっと言い方が回りくどいかなぁ? とは思いましたけど七瀬さんの言う事は色々為になりました。

それにしても、なんでしょうね? 私と七瀬さんが座る付近に座ってるお客さん達がざわざわしてます、それにチラチラ私と七瀬さんを見て気がします。
はて、何ででしょう?

「胡桃? どうかした?」
「えっ? えと、さっき七瀬さんに言われた事を思い出してたんです」

急に話し掛けられて驚きました、取り合えず、にひひって笑って誤魔化す私、いけません今は七瀬さんと一緒にいるんですから考え事は後です。

「そう、じゃぁ聞きたい事を言って?」
「えっ、いっ今ですか?」
「うん、今聞かせて」

と言われても思い付かないんですけど。

「あっ後でじゃダメですか?」
「いいわよ」
「あっ、良いんですか、良かったです」

その流れだと、てっきり「ダメ」と言われるかと思いましたけど助かりました。

「……」
「……」

あっ、お互い黙っちゃいましたね、きっ気まずいです。
私、こう言う空気苦手なんですね、なんとかして話題を考えないといけません、でも無理に話題を考えるのって難しいですね。

「…………!」

その時、私は突然閃いたのです、心に誓っていた仕返しの事を! 散々七瀬さんに意地悪されましたからね、今度はこっちが七瀬さんを弄る番です。
そうと決まれば早速どうし返すか考えましょう……ふふふふふ。

「胡桃悪い顔してる」
「えぇ? そんな事ないですよ?」

おっと、平穏を装わなきゃダメですね、イジワルする寸前で張れてしまったは元もこもありませんからね。

真顔、真顔で考えるのです…………よし、あれにしましょうか。

「ねぇ、七瀬さん?」
「なに? 急に真顔になって、少し気味が悪いのだけど?」
「ふふふ、もう七瀬さんは失礼な人ですね」

さぁ、七瀬さん覚悟しなさい、これを聞かれたら恥ずかしくなって戸惑う筈です!

「七瀬さんって、今好きな人いますか?」

にやぁ、と笑って意地悪く聞いちゃう私、七瀬さんは目を見開いて驚きます。
でも何で、周りの人まで驚いてるんですか? ガタッてテーブルを揺らす人までいますし、変な人達ですね。

「好きな……人」

静かに呟いた後、恥ずかしげに頬を紅くさせる七瀬さん、ふふふふふ、この顔! この顔が見たかったんですよ! いやぁしてやったりですね。

「ほらほらぁ、いるんですかぁ? いるならこっそり教えてくださいよぉ」

ゲスく笑う私、七瀬さんは伏せ目で私を見つめてきています。

そして、ぷるぷると唇を震わしながら七瀬さんがゆっくりと口を開きこう言ってきたんです。

「私の好きな人は」

ごくっ。
生唾を飲む私は真っ直ぐ七瀬さんを見つめます、さぁ、誰なんでしょう? 滅茶苦茶気になります、仕返しの為に聞いてしまって何ですが、こっちまで恥ずかしくなって来ましたね。

こっここは真剣に聞いちゃいましょう、これから働く仲間として! 

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