住み込み就職 お仕事時々お遊び

わいず

経験則が生かせない! 後編

午後10時、やっと終わった……色々ありました、濃厚な一時が今終わりました。

で、お仕事が終わって直ぐに食事をして自室に帰った私。

「疲れたぁ」

ほんとうに疲れました、もう身も心もくたくたです。
ぐでぇとうつ伏せでベットにだらしなく寝そべる私はもう蕩けきってます。

ほんとなんなんでしょうねあのコンビニは、エステがあるコンビニってどうなんですか? 可笑しいでしょう。
因みに昼休憩の時に聞いたんですがあのエステ、長門さんの会社の中でエステティシャンがいて「じゃ、君が店長やってエステのお店を開いてくれ」と言う暴論に等しい指令でお店を開かされたらしいです。
他にも52階にあるレストラン、43階にあるネットカフェ、5階にあるカラオケ、これ等全て長門さんの命令で社員がお店を開いたそうです。

「もうここまで色んなお店が入ってたら最早デパートですよ!」って、その話を聞かされた時私は言ってやりました。
そしたら長門さんが「はっはっはっ、上手い事言うなぁ」って笑いながら返されちゃいました。
続けて社長と言う立場を使い過ぎですよ! って言いたかったけど止めました、だってなに言ったって笑って返されちゃうからです。

まぁその事は良いんですよ、他のお店が有ろうが無かろうが言ってしまえば些細な事です。

でもお店に自分を売りにした本を売るのはどうかと思うんですよ。
え? 何の事ですかって? ほらあれですよあれ……天塚長門をおとす100の方法って本ですよ。
まぁタイトルからしてこの方法をやれば私はおちるぞ? って言う風なイメージを与える内容の本っぽいですが実は、まっまぁそれは後程話しますよ。
店長でありお店の社長ですから何を売っても多少は構わないでしょう。

でも! でもですよ? ガツン! と言いたい事が1つだけあるんです。
もうね、長門さんが"あれ"をする度にイラっと来るんですよ……だってね? だってですよ? 煩いんですよ、もう本当に……何度長門さんの胸ぐら掴んでメンチきって「ガタガタ喰っちゃべってんじゃねぇですよ」って言いたいと思った事か、そこは自制心で抑えましたよ。
もう私は不良じゃないですからね……人を威圧するのはダメです、やってはいけません。

あ、そうです、そろそろ何に怒っているか言わないといけないですね? きっと皆さんは「へ?」って思ってるに違いないです。

私が怒っているのは長門さんが男性客に一々絡んで面倒くさい事を言うって奴です。

それをする度、男性客が直ぐに長門さんから離れるんですよね、当然ですだって面倒くさいんですもん、ですから私はお昼休憩の時に言いました。

「長門さん、男性客に絡んで色々言ってますがあれなんですか?」

そしたら、こう応えてきました。

「至極簡単な事だ、あれは恋愛漫画や恋愛小説の一面を体感したい故のレクチャーだ、少々キツく言えば次に女性と会った時、壁ドンして胸キュンする言葉を言うだろう!」

自分がモテたいからじゃないんですか! なんですかその個人的な理由は! そんなしょうもない理由でお客様に絡むんじゃねぇですよ!
うぁぁぁ! ほんっとうに変な人ですね! って脳内でありとあらゆる突っ込みをしてたら長門さんは続けてこう言いました。

「私はモテたい訳じゃないんだ、ただ恋愛漫画の様な出来事を体験したいんだ」

この時、私は確信しました。
こんびにと言う名のコンビニの社長であり店長の長門さんは、重度の恋愛漫画中毒と言う事を!

と、その時の私は思ったんです。
これから先、こんな店長と一緒にお仕事していくのかと。
あっ頭が痛い、上手くやっていく自信がありません! お昼休憩が終わってからの私は疲れきった状態でお仕事しちゃいました。

そしたら直ぐに七瀬さんがやってきました、あぁ怒られちゃうと思ったら、私の顎をくいっと上げて「大丈夫? 顔色が良くない」と言ってきたんです。
本気で私を心配してる表情かおでした、もう私は……私は感動しましたよ! 直ぐに私は「いえ、大丈夫です!」って応えて笑顔を返しました! 良い先輩です、長門さんみたいな超弩級の変人ですが七瀬さんは天使の様な慈悲深い人と見ました。
会って少ししか会ってませんが私はもう七瀬さんを尊敬しました。

その後の私は七瀬さんのお陰でスッキリした気持ちでお仕事を乗り切れました、仕事が終わった私はこの通りベットにだらしなく寝てますけどね、七瀬さんの事で救われましたが疲れたんです。

「仕事する時は極力七瀬さんの側にいましょう」

ぼそっと呟いた後、ごろんっと寝返りを打って天井をじぃと見つめる私。

そうしないとやってけません! でも、七瀬さんの側にいれば精神的にも肉体的にも救われる筈です。
七瀬さんには申し訳ないですけど、ごめんなさい……暫く頼りにさせてください。

あっ、話は変わりますが長門さんか七瀬さんのどちらかが言ってた。
小片 止と言う人、あと名前は聞いてませんがあと1人の方……そっその方達も長門さんみたいな変人じゃないですよね? 頼みますから七瀬さんの様なまともな人であってください! そう願いながら私はお仕事の疲れを癒すためにダラダラしました。

あぁ、甘い物食べたい……そしたら疲れなんて吹っ飛ぶのに。
荷物が部屋に届いたら周辺を彷徨いて買いましょう、うんと甘い物を買って糖分の補充です! そう心に誓った後目を瞑る。

神様仏様お砂糖様、お願いします、明日は平穏な1日にしてください……本当にお願いします!

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