G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~

根宮光拓

第二十四話 説明

「陛下、遅いね、この際だこの世界のある程度の知識を教えようか」
「お願いします」

なかなか帰ってこない王様を黙って待っているのは誰だって嫌であり、かつユウトにはエンガイストの知識が全くないため好都合である。
ゲームの説明覧にも書いてあったが、ここはあくまでもゲームではなく現実であり、しかも5年たっており常識が変わっているかもしれないのだ。

「まず、この世界には五つの大陸があるんだ、一つは大陸の中で一番大きなユーロシン大陸、この国はその大陸の南に位置している、二つ目はユーロシン大陸の南にある亜人が多く住むケウスト大陸、三つ目は北にあり魔王の住むダキロン大陸、そして四つ目は未開の地アルゴスト、最後にセントラ大陸だ」

世界地図も渡されずに口頭だけで説明されてもすぐに理解出来るわけもないユウトは想像図を必死に作る。
当然簡単な位置しか頭に入ってないので完璧にはほど遠いが、一応その大陸の情報を持った方がいいと思いユウトは質問をする。

「あの、亜人というのは?」

そう、気になった単語は亜人である。
亜人というのはもしかしなくても獣人やエルフのことだろう。
ユウトの心は高ぶった。

「ん? ユウト君の星にはいないのかい?」
「はい、人だけです、モンスターもいません」

ユウトの発現にジャックは驚愕する。

「モンスターも!? なのにそんなに戦闘能力が高いのかい?」
「それはいろいろありまして」

さすがにゲームの世界だからとか神様に授かったとかは言えるわけもないためユウトはごまかす。
ジャックは興味深そうに目を細めるが答えてくれそうにないと察したのかそれ以上掘り返さなかった。

「まあいいか、それで亜人って言うのは獣の特徴を持った獣族、美しい容姿に長い耳で長寿の種族であるエルフ族、身長が低く手先が器用なドワーフ族、そして全ての種族の特徴を持ったオル族がいるね」

獣人、エルフ、ドワーフはある程度知っていたのだが、オル族というのは初耳のユウト。
その種族に興味を抱いた。

「オル族というのは?」
「オル族は、獣の特徴に長い耳、低身長、後は魔族の多い魔力を備え持っている種族だ、見た目は獣のモデルが違うだけだから、そこは獣族と似ているね」

さりげなく新しい種族を告げたジャック。
ユウトはオル族の事をしっかり頭に入れて次の質問をする。

「あの、魔族というのは?」
「あ、説明していなかったね、魔族は多い魔力量に角が特徴的な種族だ、かの有名な魔王が代表的だね」
「角ですか?」

ユウトが思っている角は鹿のような大きい角である。

「角と言っても、小さくて髪に隠れていて見えないらしいけど」

その言葉でユウトの想像図は鹿から鬼の角へと修正した。
そちらの方が近いので正解とも言える。

「あの、人の特徴は?」

今まで聞いていて種族は特徴がそれぞれあるのだ。
だが、人は何もないような気がするユウト。

「まず、人族は二つに分かれていて、一つはエンガイスト人、後は分かるね?」
「えっと、異星人ですか?」
「うん、そうだ、でも5年前にいなくなったと言われてたから、多くの人は人族は一つだと思ってる」
「そうなんですか」
「そうだよ、それで人族の特徴は国ごとに違って教えられるんだ、例えば人族中心の国では、全ての種族に無いものを持っている種族と教えられる、だが反対に人族がいない地域では、特徴を持たない種族という感じに定められているんだ、まあ同じような意味だけどね」

まとめると、人族は特徴がないのが特徴ということだ。
全然嬉しく無い評価なのは仕方がないことなのだろう。

「まあその特徴はエンガイスト人の方だけどね、異星人は人族の見た目に高い戦闘能力と特殊能力を持っているっていう評価だ」

なかなかに高い評価である。
それなら、期待されるのも仕方がないのかもしれない。

「評価が高すぎるような気がしますが」
「そんなことはないよ、十分、異星人は5年前功績を残してきたからね」
「今回は良いことばかりではないかもしれませんが」

ユウトは含みを入れた発言をする。
そう言うのも、前回、ゲームの世界ではゲームということもあり遊び感覚で色々と楽しんでいた、だが今回は進んでこの世界に来たわけではないし、犯罪者だってこの世界に来ているのだ。
良いことばかり起きるわけがない。
最悪、力を誇示して暴走する可能性だってあるのだ。

「そうなの? まあユウト君には気をつけておくよ」
「いやいや、自分は暴れる気は無いですよ」

暗い雰囲気になる前にジャックが茶化して雰囲気を明るくした。

「じゃあ、次はギルドについてだ」
「ギルドですか?」

ギルドというのはある程度知っていた。
というよりは、冒険館がギルドという名称じゃないのに戸惑ったぐらいだ。

「ギルドは志を同じくしたもの達が集まった団体だ」
「冒険者会館はギルドにはならないんですか?」

気になっていたことをユウトは質問してみる。

「冒険者会館はギルドとも言えるかもしれないけど、全ての人が志を同じというわけではないからね、冒険者がある程度集まってギルドを作ったりする事もあるから冒険者会館はギルドとはちょっと違うかもしれない、この国で言うと、騎士団や憲兵隊がギルドになるね、騎士団は国の防衛、憲兵隊は国の治安維持だ」
「ギルドを作るのに何か決まりは?」
「国から認められるのが条件というのが普通なんだけど、過去に『栄光の光』という集まりがあったんだけど、彼ら10人はとても強くてね、戦争をたった10人だけで止めたりということもあったんだ、そうして語られていくうちに人々からギルドとして認識されていったというパターンもあるんだ」

『栄光の光』という名前は恥ずかしくて名乗れそうに無いが、そういうのにユウトは憧れを抱いた。
男子が英雄に憧れるのは自然のことだろう。

「それで、その『栄光の光』は?」
「今も活動していると思うよ、でも人数は4人に減っているという噂だ、大陸を飛び回っているそうだからいつかは会えるかもね」

会えるなら会ってみたい。
英雄と話せるなんて滅多に無い。
まあ会えるかも分からないのだが。

「ユウト君なら、彼らみたいなギルドも作れるかもしれないね」
「いやぁ、無理ですって」

ギルドを作るにしても今はメンバーとなってくれそうな人に心当たりが無いので無理だ。
だが、ギルドで活動すればある程度異星人の心の支えになるのではないかと考えるユウトだった。

「それにしても遅いなぁ、陛下」
「そうですね、どこまで行ったんでしょう」

一通り説明を終えたので王ファオの帰りを待つだけになる。
だが、未だ帰ってきてはいない。
どこをそんなに見て回っているのだろうか。

「すまんすまん、なかなかに興味深くてのう」

そこへ部屋の扉が開いてファオが入室してくる。

「遅いですよ」
「すまんすまん」

満足げに微笑みながら謝るファオ。
王様じゃなかったらきっと誰かが怒っているところだろう。

「まあいいです、じゃあユウト君、さっそく魔法を使ってみようか」
「楽しみじゃのう」
「はい、分かりました」

ユウトはジャックがやったように、手の平を上にして前に出した。

「体の中にある力を手のひらに集中するイメージでやってみて、手のひらにそれが来たら雷をイメージすると言い」

といわれてもその力とやらが感じられないユウトだったが、ある時急に何かが腕へと向かっていく感覚をつかめた。
そして次第に手のひらへとその何かがたどり着く。
すると、手のひらから発光体が出現しバチバチと音が鳴り響いた。

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